一般貨物の車庫の要件とは

このページでは一般貨物自動車運送事業新規許可の「車庫」の要件について説明しております。

許可要件のページについての注意事項は営業所のところで説明しておりますので、よろしければ先に「一般貨物の営業所の要件とは」もご覧ください。

一般貨物自動車運送事業新規許可の「車庫」の要件について動画でも説明しております。

車庫の審査基準

【新規許可等の審査基準】
4.車庫

(1) 原則として営業所に併設するものであること。ただし、併設できない場合は平成3年6月25日運輸省告示第340号に適合するものであること。
(2) 車両と車庫の境界及び車両相互間の間隔が50センチメートル以上確保され、かつ、計画する事業用自動車のすべてを収容できるものであること。
(3) 他の用途に使用される部分と明確に区画されていること。
(4) 使用権原を有することの裏付けがあること。
(5) 農地法 (昭和27年法律第229号) 、都市計画法 (昭和43年法律第100号)等関係法令に抵触しないものであること。
(6) 事業用自動車が車庫への出入りに支障のないものであり、前面道路との関係において車両制限令(昭和36年政令第265号)に抵触しないものであること。
なお、前面道路が私道の場合にあっては、当該私道の通行に係る使用権原を有する者の承認があり、かつ、事業用自動車が当該私道に接続する公道との関係において車両制限令に抵触しないものであること。

一般貨物自動車運送事業及び特定貨物自動車運送事業の許可申請の処理方針について

【新規許可等の審査基準の細部取扱い】
4.車庫

(2)について
共同使用に係る事業用自動車については、使用の本拠たる営業所において車庫が確保されていれば、当該共同使用に係る他の営業所においても車庫が確保されているものとして扱うものとする。
(3)について
① 事業用自動車を適切に収容することができることが確認できる写真の添付をもって、他の用途に使用される部分と明確に区画されていることを確認することとする。
② 申請時において車庫として整備が完了していない等特段の事情がある場合は、事後的に、事業用自動車を適切に収容することができることが確認できる写真の提出を求めることとする。
(4)について
1.(1)①及び②に同じ。
(5)について
1.(2)①及び②に同じ。

「一般貨物自動車運送事業及び特定貨物自動車運送事業の許可申請の処理方針について」の細部取扱について

(1) 原則として営業所に併設するものであること。ただし、併設できない場合は平成3年6月25日運輸省告示第340号に適合するものであること。

解説

車庫は原則として営業所に併設しなければなりません。

ただし、東京のような都市部だとなかなか車庫として利用できるような土地がありません。
このようなケースには例外規定があります。それは運輸省告示第340号に書かれております。
関東運輸局管轄の場合は営業所から直線距離で10キロ(東京23区、神奈川県横浜市、川崎市の場合は20キロ)までは認められます。
距離は直線距離なので実際に車両で走行する距離ではありません。
また県を超える設置も認められているので、営業所が東京、車庫が埼玉でも認められます。

(2) 車両と車庫の境界及び車両相互間の間隔が50センチメートル以上確保され、かつ、計画する事業用自動車のすべてを収容できるものであること。

解説

車庫の大きさについて解説しております。

一般貨物で使用する車庫は車両がすっぽり収まるような広さが必要になります。
自家用自動車の場合ですと、たまに家の車庫からはみ出して止められているのを見かけることがありますが、事業用自動車では認められないとうことになります。

求められる車庫の大きさは車両の大きさに加えて、車両間の隙間を50㎝以上取ったものになります。
なので、車庫の端から車両、車両から車両など、それぞれ隙間を50㎝以上取らなければなりません。

また質問でよくあるのが、連結車両の場合です。
トラクタ、トレーラーのケースでいうと車両数はセットで1台と数えると「車両数、事業用自動車について」で解説しましたが、トラクタ、トレーラーの場合はトラクタとトレーラーの間も50㎝以上あけるとされております。
つまり、連結した際にカプラ部分で車両の長さが短くなることは考慮されておりません。

車庫はいくつあっても問題ありません。
事業用車両5台を1つの車庫にまとめることもできますし、5つの車庫にそれぞれ車両を振り分けることも可能です。

(3) 他の用途に使用される部分と明確に区画されていること。

解説

(3)で説明したように車庫には車両がすっぽりと収まらなければなりません。
なので車庫と称しても、車庫の一部にプレハブを建てたり、資材や荷物を置いて、実際には車両をとめることができない部分については、それは車庫ではありません。
あくまで、運送事業を遂行するうえで車両をとめる部分が車庫になります。

(4) 使用権原を有することの裏付けがあること。


(5) 農地法 (昭和27年法律第229号) 、都市計画法 (昭和43年法律第100号)等関係法令に抵触しないものであること。

解説

(4)、(5)は「一般貨物の営業所の要件とは」で解説しているのでそちらをご覧ください。

(6) 事業用自動車が車庫への出入りに支障のないものであり、前面道路との関係において車両制限令(昭和36年政令第265号)に抵触しないものであること。
なお、前面道路が私道の場合にあっては、当該私道の通行に係る使用権原を有する者の承認があり、かつ、事業用自動車が当該私道に接続する公道との関係において車両制限令に抵触しないものであること。

解説

車庫の前面道路の幅について解説しております。

車庫の出入口に面している道路を前面道路と呼びます。この前面道路の幅が車両制限令(昭和36年政令第265号)に抵触しないことが要件となります。

車両制限令に抵触しているかどうかは幅員証明を取って確認します。
例えば当該道路が車両制限令第5条2に該当しているのであれば、車両の幅が車道の幅-0.5m÷2より小さければ要件を満たします。
幅員証明は前面道路が国道の場合は取得不要とされております。
また、道路は道路管理者ごとに窓口が分かれておりますので注意が必要です。

車両制限令

第5条

1

(市街地区域で交通量が極めて少ない) 

車道の幅員-0.5m

2

(市街地区域で通常の道路)

(車道の幅員-0.5m)÷2

3

(1+駅前又は繁華街にある道路)

車道の幅員-1m

3

(2+駅前又は繁華街にある道路) 

(車道の幅員-1.5m)÷2

第6条

1

(市街地区域外で交通量が極めて少ない)

車道の幅員-0.5m

2

(市街地区域外で通常の道路)

車道の幅員÷2

一般貨物自動車運送事業新規許可の「車両制限令」について動画でも説明しております。

最後に車庫の関係法令についても解説しております。「交差点付近の車庫」、「車庫の前面道路が私道だった時の対処法」の記事も併せてご確認ください。

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