令和4年7月(中国運輸局) 一般貨物法令試験問題&解答

この記事は中国運輸局管轄の法令試験の問題(令和4年7月)について解説しております。
中国運輸局管轄とは広島、鳥取、島根、岡山、山口の5県です。
これらの地域で一般貨物経営許可申請をした事業者が対象になります。
その他の地域で申請した事業者様はこちらをご確認ください

(注意事項)
設問の文中には、法令の条文をそのまま引用せずに、文言等を一部省略している場合があります。

※問題や解答は何度も確認してから掲載しておりますが、完ぺきな正確性を保証するものではありませんのでご了承ください。

Ⅰ 次の記述のうち、正しいものには○を、誤っているものには×を(      )内に記入してください。

問1(定義)
 貨物自動車運送事業法において「貨物自動車運送事業」とは一般区域貨物自動車運送事業、一般路線貨物自動車運送事業及び特定貨物自動車運送事業をいう。

A:× 【貨物自動車運送事業法 第2条第1項】
×:(一般区域貨物自動車運送事業、一般路線貨物自動車運送事業及び特定貨物自動車運送事業をいう)
〇:(一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業及び貨物軽自動車運送事業をいう)

問2(定義)
 貨物自動車運送事業法において「貨物自動車利用運送」とは、一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業を経営する者が自ら保有する自動車を利用してする貨物の運送をいう。

A:× 【貨物自動車運送事業法 第2条第7項】
×:(自ら保有する自動車を利用してする貨物の運送をいう)
〇:(他の一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業を経営する者の行う運送(自動車を使用して行う貨物の運送に係るものに限る。)を利用してする貨物の運送をいう)

問3(事業計画)
 一般貨物自動車運送事業者は、事業計画の変更をしようとするときは、変更する事項に関わらず、遅滞なくその旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

A:× 【貨物自動車運送事業法 第9条第1項、第3項】
×:(変更する事項に関わらず、遅滞なくその旨を国土交通大臣に届け出なければならない)
〇:(国土交通省令で定めるものを除き、国土交通大臣の認可を受けなければならない)

問4(許可の基準)
 国土交通大臣は、一般貨物自動車運送事業の経営の許可の申請が、その事業の計画が過労運転の防止、事業用自動車の安全性その他輸送の安全を確保するため適切なものであると認めるときでなければ、許可をしてはならない。

A:〇 【貨物自動車運送事業法 第6条第1号】

問5(事業報告書及び事業実績報告書)
 一般貨物自動車運送事業者は、毎事業年度に係る事業報告書を毎事業年度の経過後100日以内に提出しなければならない。

A:〇 【貨物自動車運送事業報告規則 第2条第1項】
解説:報告関係は事後報告が多いということは覚えておきましょう。

一般貨物自動車運送事業者(次号に掲げる者を除く。) 毎事業年度に係る事業報告書 毎事業年度の経過後百日以内

前年四月一日から三月三十一日までの期間に係る事業実績報告書

毎年七月十日まで

一般貨物自動車運送事業者、特定貨物自動車運送事業者及び貨物軽自動車運送事業者 運賃及び料金の届出 料金の設定又は変更後三十日以内
貨物自動車運送事業者(貨物軽自動車運送事業者を除く)等 事故の報告 事故があつた日から三十日以内
事業者等 事故の速報 該当する事故があつたとき又は国土交通大臣の指示があつたときから二十四時間以内

問6(運送約款)
 国土交通大臣が標準運送約款を定めて公示した場合(これを変更して公示した場合を含む。)において、一般貨物自動車運送事業者が、標準運送約款と同一の運送約款を定め、又は現に定めている運送約款を標準運送約款と同一のものに変更したときは、その運送約款については、国土交通大臣の認可を受けたものとみなす。

A:〇 【貨物自動車運送事業法 第10条第3項】

問7(事業の譲渡し及び譲受け等)
 一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受けは、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

A:〇 【貨物自動車運送事業法 第30条】

《ここもチェック》

主な認可主な届出
車庫及び休憩睡眠施設の位置及び収容能力主たる事務所の名称及び位置
営業所又は荷扱所の位置(貨物自動車利用運送のみに係るもの及び地方運輸局長が指定する区域内におけるものは届出)営業所又は荷扱所の名称
貨物自動車利用運送を行うかどうかの別利用運送の業務の範囲等
営業所に配置する事業用自動車の種別利用運送の保管施設及び利用する事業者の概要
一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受けをする場合事業用自動車の種別ごとの数の変更
一般貨物自動車運送事業者たる法人の合併及び分割をする場合各営業所に配置する運行車の数の変更
一般貨物自動車運送事業の相続する場合一般貨物自動車運送事業者等の氏名、名称又は住所に変更があった場合
法人の役員又は社員に変更があった場合
一般貨物自動車運送事業の休止又は廃止の届出をしようとする場合
一般貨物自動車運送事業等の運輸を開始した場合
一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受け又は法人の合併若しくは分割が終了した場合
休止していた一般貨物自動車運送事業等を再開した場合

問8(運転者台帳)
 一般貨物自動車運送事業者等は、運転者ごとに、必要な事項を記載し、写真をはり付けた一定の様式の運転者台帳を作成し、当該運転者が運転者でなくなるまでの間、これを保存しなければならない。

A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第9条の5】
×:(当該運転者が運転者でなくなるまでの間、これを保存しなければならない)
〇:(運転者が転任、退職その他の理由により運転者でなくなった場合には・・・これを三年間保存しなければならない)

問9(乗務等の記録) 
 一般貨物自動車運送事業者等は、事業用自動車に係る運転者の乗務について、当該乗務を行った運転者ごとに必要な事項を記録させ、かつ、その記録を1年間保存しなければならない。

A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第8条第1項】

解説:乗務等の記録は1年間保存です。その他のものと比較してみましょう。

点呼の記録1年間
乗務等(運行記録計)の記録1年間
運行指示書及びその写し1年間
事故の記録3年間
運転者台帳3年間
従業員に対する指導及び監督の記録3年間

問10(運行管理者の講習)
 一般貨物自動車運送事業者等は、国土交通大臣が告示で定めるところにより、最後に国土交通大臣が認定する講習を受講した日から5年後の日の属する年度の末日を経過した運行管理者に国土交通大臣が告示で定める講習であって国土交通大臣の認定を受けたものを受けさせなければならない。

A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第23条】
×:(受講した日から5年後の日の属する年度の末日を経過した)
〇:(受講した日の属する年度の翌年度の末日を経過した)

問11(運行管理者)
 一般貨物自動車運送事業者は、運行管理者を選任したときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならないが、これを解任したときは、届け出をする必要はない。

A:× 【貨物自動車運送事業法 第18条】
×:(これを解任したときは、届け出をする必要はない)
〇:(これを解任したときも同様とする)

問12(運行管理者)
 一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務を行わせるため、運行管理者基礎講習を受けている者のうちから、運行管理者を選任しなければならない。

A:× 【貨物自動車運送事業法 第18条第1項】
×:(運行管理者基礎講習を受けている者のうちから)
〇:(運行管理者資格者証の交付を受けている者のうちから)

問13(点呼等)
 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の乗務を開始しようとする運転者及び乗務を終了した運転者に対する点呼において、運行管理者(補助者)の勤務時間等の都合による場合は、対面に代えて電話による点呼を行うことができる。

A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第7条第1項】
×:(運行管理者(補助者)の勤務時間等の都合による場合は、対面に代えて電話による点呼を行うことができる)⇐このような記載はありません。
解説:点呼は運行上やむを得ない場合を除き、対面で行わなければなりません。

問14(運行記録計による記録)
 一般貨物自動車運送事業者等は、全ての事業用自動車に係る運転者の乗務について、当該事業用自動車の瞬間速度、運行距離及び運行時間を運行記録計により記録し、かつ、その記録を1年間保存しなければならない。

A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第9条】
×:(全ての事業用自動車)
〇:(総重量7トン以上又は積載量4トン以上の自動車等に限る)

問15(運行指示書による指示等)
 一般貨物自動車運送事業者等は、1週間ごとに、貨物自動車運送事業輸送安全規則に掲げる事項を記載した運行指示書を作成し、これにより事業用自動車の運転者に対し、適切な指示を行い、及びこれを当該運転者に携行させなければならない。

A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第9条の3第1項】
×:(1週間ごとに)
〇:(第7条第3項に規定する乗務を含む運行ごと)
解説:第7条第3項に規定する乗務とは点呼のいずれも対面で行うことができない乗務等です。

問16(過積載の防止)
 貨物自動車運送事業者は、過積載による運送の防止について、運転者その他の従業員に対する適切な指導及び監督を怠ってはならない。ただし、やむを得ない事由がある場合は、この限りではない。

A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第4条】
×:(ただし、やむを得ない事由がある場合は、この限りではない。) ⇐このような記載はありません。
解説:過積載に例外規定はありません。

問17(整備管理者の研修)
 貨物自動車運送事業者は、選任した整備管理者であって、整備管理者として新たに選任した者に地方運輸局長が行う研修を受けさせなければならない。

A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第3条の4】

問18(事故の報告)
 一般貨物自動車運送事業者は、その事業用自動車が、程度の大小にかかわらず事故を引き起こしたときは、遅滞なく、事故の種類、原因その他国土交通省令で定める事項を届け出なければならない。

A:× 【貨物自動車運送事業法 第24条】
×:(程度の大小にかかわらず事故を引き起こしたとき)
〇:(転覆、火災、その他省令で定める重大な事故を引き起こしたとき)

問19(報告書の提出)
 一般貨物自動車運送事業者は、その使用する自動車について、省令で定める事故があった場合には、当該事故があった日から45日以内に、当該事故ごとに自動車事故報告書3通を当該自動車の使用の本拠の位置を管轄する運輸監理部長又は運輸支局長を経由して、国土交通大臣に提出しなければならない。

A:× 【自動車事故報告規則 第3条】
×:(45日以内)
〇:(30日以内)

問20(定期点検整備)
 自動車運送事業の用に供する自動車の使用者は、1ヶ月ごとに国土交通省令で定める技術上の基準により自動車を点検しなければならない。

A:× 【道路運送車両法 第48条】
×:(1ヶ月ごと)
〇:(3ヶ月ごと)
解説:まずは3か月のものを覚えましょう。運送事業の自動車と車両総重量8トン以上の自家用自動車などが3か月です。

定期点検の期間

 

自動車運送事業の用に供する自動車及び車両総重量八トン以上の自家用自動車その他の国土交通省令で定める自家用自動車 三月
道路運送法第七十八条第二号に規定する自家用有償旅客運送の用に供する自家用自動車(国土交通省令で定めるものを除く。)、同法第八十条第一項の許可を受けて業として有償で貸し渡す自家用自動車その他の国土交通省令で定める自家用自動車(前号に掲げる自家用自動車を除く。) 六月
前二号に掲げる自動車以外の自動車 一年

問21(運転者の遵守事項)
 車両等の運転者は、自動車を運転する場合において業務上の必要がある場合は、当該自動車が停止しているときでなくても、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置を通話のために使用し、又は当該自動車に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視してもよい。

A:× 【道路交通法 第71条第5号の5】
×:(業務上の必要がある場合は、当該自動車が停止しているときでなくても・・・画像を注視してもよい)⇐このような記載はありません。
〇:(当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置を通話のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと)

問22(乗合自動車の発進の保護)
 停留所において乗客の乗降のため停車していた乗合自動車が発進するため進路を変更しようとして手又は方向指示器により合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした乗合自動車の進路の変更を妨げてはならない。

A:〇 【道路交通法 第31条の2】

問23 (定義)
 「自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に、継続して取引する相手方に対して、自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること。」は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律における「不公正な取引方法」にはあたらない。

A:× 【私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第2条第9項第5号ロ】
×:(「不公正な取引方法」にはあたらない)
〇:(「不公正な取引方法」にはあたる)

問24(休日)
 労働基準法上の使用者は、労働者に対して、四週間を通じ四日以上の休日を与える場合を除き、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。

A:〇 【労働基準法 第35条】

問25(有償運送)
 自家用自動車は、有償で運送の用に供してはならない。ただし、公共の福祉を確保するためやむを得ない場合において、国土交通大臣の許可を受けて地域又は期間を限定して運送の用に供するときは、この限りでない。

A:〇 【道路運送法 第78条第3号】

Ⅱ 次の問26から問28の文章の指示に従って、設問に答えてください。

問26(事業計画)
 次のうち、一般貨物自動車運送事業の事業計画に記載しなければならない事項としてあてはまらないものを1つ選び、( )内に記入してください。
ア.営業区域
イ.自動車車庫の位置及び収容能力
ウ.貨物自動車利用運送をするかどうかの別

A:ア 【貨物自動車運送事業法施行規則 第2条】

解説:事業計画に記載しなければならない事項でよく出題されるのは下記のとおりです。
・主たる事務所の名称及び位置
・営業所の名称及び位置
・自動車車庫の位置及び収容能力
・貨物自動車利用運送を行うかどうかの別

問27(過労運転の防止)
 一般貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に常時選任する者として認められないものを、次のア~ウの中から1つ選び、( )内に記入してください。
ア.日々雇い入れられる者
イ.労働者派遣事業者から派遣された者
ウ.6ヶ月間の期間を定めて使用される者

A:ア 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第3条第2項】

解説:事業用自動車の運転者として選任できないもの
・日々雇い入れられる者
・二月以内の期間を定めて使用される者
・試みの使用期間中の者(十四日を超えて引き続き使用されるに至った者を除く。)

問28 (貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間等)
 貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間、休息期間及び運転時間については、労働省告示(平成元年2月9日労働省告示第7号)によって定められています。次のア~カから正しいものを3つ選び、(    )内に記入してください。
ア.拘束時間は、1箇月について293時間を超えないものとすること。
イ.勤務終了後、継続16時間以上の休息期間を与えること。
ウ.1日についての拘束時間は、13時間を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても、最大拘束時間は、16時間とすること。
エ.運転時間は、2日を平均し1日当たり9時間、2週間を平均し1週間当たり9時間を超えないものとすること。
オ.1日についての拘束時間を延長する場合において、1日についての拘束時間が15時間を超える回数は、1週間について4回以内とすること。
カ.連続運転時間は、4時間を超えないものとすること。

A:ア、ウ、カ 【自動車運転者の労働時間等の改善のための基準 第4条】

解説:どれも非常によくでる問題です。
イ:(× 継続16時間以上 )
:(〇 継続8時間以上)
エ:(× 2週間を平均し1週間当たり9時間 )
:(〇 2週間を平均し1週間当たり44時間)
オ:(× 1週間について4回以内)
:(〇 1週間について2回以内)

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