令和4年7月(東北運輸局) 一般貨物法令試験問題&解答

この記事は東北運輸局管轄の法令試験の問題(令和4年7月)について解説しております。
東北運輸局管轄とは青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島の6県です。
これらの地域で一般貨物経営許可申請をした事業者が対象になります。
その他の地域で申請した事業者様はこちらをご確認ください

(注意事項)
※ 事業者とあるのは、一般貨物自動車運送事業者を指します。
※ 設問の中には、文言等を一部省略しているものもあります。

※問題や解答は何度も確認してから掲載しておりますが、完ぺきな正確性を保証するものではありませんのでご了承ください。

Ⅰ 次の問題の1から15の文章で正しいものに○を、誤っているものに×を( )内に記入しなさい。

問1(定義)
 貨物自動車運送事業法において「貨物自動車運送事業」とは、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業及び貨物軽自動車運送事業をいう。【貨物自動車運送事業法】

A:〇 【貨物自動車運送事業法 第2条第1項】

問2(一般貨物自動車運送事業の許可)
 一般貨物自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。【貨物自動車運送事業法】

A:〇 【貨物自動車運送事業法 第3条】

問3(定義)
 貨物自動車運送事業法において「貨物自動車利用運送」とは、一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業を経営する者が他の一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業を経営する者の行う運送(自動車を使用して行う貨物の運送に係るものに限る。)を利用してする貨物の運送をいう。【貨物自動車運送事業法】

A:〇 【貨物自動車運送事業法 第2条第7項】

問4(事故の報告)
 事業者は、その事業用自動車が転覆し、火災を起こし、その他国土交通省令で定める重大な事故を引き起こしたときは、遅滞なく、事故の種類、原因その他国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならない。【貨物自動車運送事業法】

A:〇 【貨物自動車運送事業法 第24条】

問5(運行管理者)
 事業者は、事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務を行わせるため、運転者のうち運転技能が優れていると認められる者から、運行管理者を選任しなければならない。【貨物自動車運送事業法】

A:× 【貨物自動車運送事業法 第18条第1項】
×:(運転技能が優れていると認められる者から)
〇:(運行管理者資格者証の交付を受けている者のうちから)

問6(過労運転の防止)
 事業者は、乗務員の健康状態の把握に努め、疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により、安全な運転をし、又はその補助をすることができないおそれがある乗務員を1時間の休憩を取らせた上で乗務させなければならない。【貨物自動車運送事業輸送安全規則】

A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第3条第6項】
×:(おそれがある乗務員を1時間の休憩を取らせた上で乗務させなければならない)
〇:(おそれがある乗務員を事業用自動車に乗務させてはならない)

問7(輸送の安全)
 事業者は、経営の責任者の責務を定めることその他の国土交通大臣が告示で定める措置を講ずることにより、絶えず輸送の安全性の向上に努めなければならない。【貨物自動車運送事業安全規則】

A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第2条の2】

問8(過積載の防止)
 事業者は、過積載による運送の防止について、運転者その他の従業員に対する適切な指導及び監督を怠ってはならない。【貨物自動車運送事業輸送安全規則】

A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第4条】

問9(事業)
 国土交通大臣が指定をした地方貨物自動車運送適正化事業実施機関は、輸送の安全を阻害する行為の防止その他この法律又はこの法律に基づく命令の遵守に関し貨物自動車運送事業者に対する指導を行う。【貨物自動車運送事業法】

A:〇 【貨物自動車運送事業法 第39条】

問10(点呼等)
 事業者は、運転者に対して朝礼を行い安全な運転の有無、及び点検の実施又はその確認について報告を求め、事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない。【貨物自動車運送事業輸送安全規則】

A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第7条第1項】
×:(朝礼を行い安全な運転の有無)⇐このような記載はありません。
解説:点呼は原則対面で行います。また疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無だけでなく酒気帯びの有無なども報告・確認が必要です。

問11(乗務等の記録)
 事業者は、事業用自動車に係る運転者の乗務について、当該乗務を行った運転者ごとに、運転者の氏名、乗務した事業用自動車の自動車登録番号、乗務の開始及び終了の地点及び日時並びに主な経過地及び乗務した距離等を記録させ、かつ、その記録を3年間保存しなければならない。【貨物自動車運送事業輸送安全規則】

A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第8条第1項】
×:(3年間)
〇:(1年間)

解説:乗務等の記録は1年間保存です。その他のものと比較してみましょう。

点呼の記録1年間
乗務等(運行記録計)の記録1年間
運行指示書及びその写し1年間
事故の記録3年間
運転者台帳3年間
従業員に対する指導及び監督の記録3年間

問12(運行管理規程)
 事業者は、運行管理者の職務及び権限、統括運行管理者を選任しなければならない営業所にあってはその職務及び権限並びに事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務の処理基準に関する規程を定めなければならない。【貨物自動車運送事業輸送安全規則】

A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第21条第1項】

問13(有償運送)
 自家用自動車は、有償で運送の用に供してはならない。ただし、災害のため緊急を要するときや、公共の福祉を確保するためやむを得ない場合において、国土交通大臣の許可を受けて地域又は期間を限定して運送の用に供するときなどは、この限りでない。【道路運送法】

A:〇 【道路運送法 第78条】

問14(移転登録)
 新規登録を受けた自動車について所有者の変更があったときは、新所有者は、その事由があった日から30日以内に、国土交通大臣の行う移転登録の申請をしなければならない。【道路運送車両法】

A:× 【道路運送車両法 第13条第1項】 
×:(30日以内)
〇:(15日以内)
解説:その他の15日以内も覚えてしまいましょう。
大型自動車使用者等の整備管理者選任【道路運送車両法 第52条】も15日以内です。
大型自動車使用者等は、整備管理者を選任したときは、その日から十五日以内に、地方
運輸局長にその旨を届け出なければならない。これを変更したときも同様である。

問15(従業員に対する指導及び監督)
 事業者は、当該事業に係る主な道路の状況その他の事業用自動車の運行に関する状況、その状況下において事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な運転の技術および法令に基づき自動車の運転に関して遵守すべき事項について、運転者に対する適切な指導及び監督をしなければならない。【貨物自動車運送事業輸送安全規則】

A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第10条第1項】

Ⅱ 次の問題16から21の文章の指示に従って、質問に答えなさい。

問16(許可の基準)
 国土交通大臣は許可の基準を定めているが、次の中で正しいものを1つ選び記入しなさい。【貨物自動車運送事業法】
ア.事業計画が過労運転の防止その他輸送の安全を確保するため適切なものであること。
イ.事業の遂行上適切な社員を有するものであること。
ウ.事業を自ら的確に遂行するに足る車両を有するものであること。

A:ア 【貨物自動車運送事業法 第6条】

問17(事業計画の変更の認可の申請)
 事業者は、事業計画の変更をしようとするときは、貨物自動車運送事業法施行規則で定める届出事項を除き認可が必要となります。次の中で認可事項に該当するものに○を、届出事項(軽微な事項等)に該当するものに×を付けなさい。【貨物自動車運送事業法施行規則】
ア.営業所又は荷扱所の名称の変更
イ.休憩又は睡眠のための施設の位置及び収容能力の変更
ウ.自動車車庫の位置及び収容能力の変更
エ.主たる事務所の名称及び位置の変更

A:ア×、イ〇、ウ〇、エ× 【貨物自動車運送事業法施行規則 第7条第1項など】

《ここもチェック》

主な認可主な届出
車庫及び休憩睡眠施設の位置及び収容能力主たる事務所の名称及び位置
営業所又は荷扱所の位置(貨物自動車利用運送のみに係るもの及び地方運輸局長が指定する区域内におけるものは届出)営業所又は荷扱所の名称
貨物自動車利用運送を行うかどうかの別利用運送の業務の範囲等
営業所に配置する事業用自動車の種別利用運送の保管施設及び利用する事業者の概要
一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受けをする場合事業用自動車の種別ごとの数の変更
一般貨物自動車運送事業者たる法人の合併及び分割をする場合各営業所に配置する運行車の数の変更
一般貨物自動車運送事業の相続する場合一般貨物自動車運送事業者等の氏名、名称又は住所に変更があった場合
法人の役員又は社員に変更があった場合
一般貨物自動車運送事業の休止又は廃止の届出をしようとする場合
一般貨物自動車運送事業等の運輸を開始した場合
一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受け又は法人の合併若しくは分割が終了した場合
休止していた一般貨物自動車運送事業等を再開した場合

問18(過労運転の防止)
 事業者が事業用自動車の運転者として選任してはならない者を、次の中から2つ選び(            )に記入しなさい。【貨物自動車運送事業輸送安全規則】
ア.日々雇い入れられる者
イ.二月以内の期間を定めて使用される者
ウ.試みの使用期間中の者であって14日を超えて引き続き使用されるに至った者

A:ア、イ 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第3条第2項】
解説:事業用自動車の運転者として選任できないもの
・日々雇い入れられる者
・二月以内の期間を定めて使用される者
・試みの使用期間中の者(十四日を超えて引き続き使用されるに至った者を除く。)

問19(従業員に対する指導及び監督)
 事業者は、貨物自動車運送事業輸送安全規則で定める運転者に対して、国土交通大臣が告示で定めるところにより、事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき事項について特別な指導を行い、かつ、国土交通大臣が認定する適性診断を受けさせなければならないことになっています。適性診断の対象となる運転者を次の中から選び○印を、そうでないものに×印を記入しなさい。【貨物自動車運送事業輸送安全規則】

ア.死者又は負傷者が生じた事故を引き起こした者
イ.事務員として新たに雇い入れた者
ウ.高齢者(65才以上の者をいう。)

A:ア〇、イ×、ウ〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第10条第2項】

解説:運転者に対しての特別な指導かつ、適性診断を行う対象者は下記のとおりです。
・死者又は負傷者が生じた事故を引き起こした者
・運転者として新たに雇い入れた者
・高齢者(六十五才以上の者をいう。)

問20(事業報告書及び事業実績報告書)
 事業者は貨物自動車運送事業報告規則に定める報告書を、提出期限までに提出しなければならないことになっています。次の①と②の報告書の報告期間及び提出期限をア~カの中から選び記入しなさい。【貨物自動車運送事業報告規則】

① 事業報告書    (   )
② 事業実績報告書  (   )

ア.前年1月1日から12月31日までの期間に係るものを毎年5月31日まで
イ.前年4月1日から3月31日までの期間に係るものを毎年7月10日まで
ウ.前年10月1日から9月30日までの期間に係るものを毎年12月31日まで
エ.毎事業年度に係るものを当該事業年度の経過後100日以内
オ.毎事業年度に係るものを当該事業年度の経過後120日以内
カ.毎事業年度に係るものを当該事業年度の経過後毎年5月31日まで

A:①エ、②イ 【貨物自動車運送事業報告規則 第2条第1項】

解説:事業報告書及び事業実績報告書の問題は何度も出題されております。必ず得点できる問題なので何度も解いて覚えてしまいましょう。
・事業報告書は事業年度終了後100日以内
・事業実績報告書は7月10日まで

問21(貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間等)
 貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間、休息期間及び運転時間については、労働省告示によって定められています。次の中から正しいものを3つ選び記入しなさい。【自動車運転者の労働時間等の改善のための基準】

ア.拘束時間は、1箇月について293時間超えないものとすること。
イ.1日についての拘束時間は、13時間を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても最大拘束時間は、16時間とすること。
ウ.勤務終了後、継続5時間以上の休息期間を与えること。
エ.運転時間は、2日を平均し1日当たり7時間、2週間を平均し1週間当たり40時間を超えないものとすること。
オ.連続運転時間は、4時間を超えないものとすること。

A:ア、イ、オ 【自動車運転者の労働時間等の改善のための基準 第4条】

解説:どれも非常によくでる問題です。
ウ:(× 継続5時間以上 )
:(〇 継続8時間以上)
エ:(× 7時間)
:(〇 9時間)
エ:(× 40時間)
:(〇 44時間)

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