法令試験の攻略法を完全解説

一般貨物の法令試験について解説します。

一般貨物の法令試験とは一般貨物許可申請をした事業者が必ず受ける試験になります。この試験に合格しないと許可は取れません。試験では条文集が配られますが、不合格になる方も多数います。
また不合格になると1度までは再受験が可能ですが、2回不合格になると申請を一旦取り下げし再度申請する必要があります。
どちらにせよ、1度でも不合格になると事業開始までの時間や賃料又は車両の諸経費などの資金が余計にかかってしまいます。

そのため、最短で許可を取りたい方は法令試験対策が必須となります。

法令試験解説動画(関東運輸局令和5年11月)

法令試験の概要

まずは法令試験の概要について解説します。

1.試験対象者
・一般貨物自動車運送事業(特別積合せ貨物運送をする場合を含む。)の経営許可申請をした事業者
※ただし、特定貨物自動車運送事業者が当該事業許可の廃止と同時に、新たに一般貨物自動車運送事業の許可を取得する場合については除く。
・一般貨物自動車運送事業(特別積合せ貨物運送をする場合を含む。)の事業の譲渡 ・譲受、合併及び分割、相続認可申請をした事業者
※ただし、 分割は一般貨物自動車運送事業の許可を取得している既存事業者が存続する場合は除く。
・特定貨物自動車運送事業の経営許可申請をした事業者

新規で申請した者だけでなく譲渡や相続で一般貨物事業者になる者も対象となります。

2.受験者
受験者は、1申請に当たり1名のみとし、申請者が個人である場合はその個人、申請者が法人の場合は、法人の役員1名となります。 法人の場合は一般的には会社の代表者や運送事業に専従する役員などが対象となります。

3.受験場所
受験場所は基本的に運輸局の本局になります。

4.法令試験の実施方法
・法令試験は、隔月の奇数月(1月,3月,5月,7月,9月,11月)に行われます。
・初回の法令試験は、原則として許可申請書等が運輸支局で受理された月の翌月以降に実施されます。具体的な日付は申請時に分かることもありますが、法令試験の実施予定日の1~2週間前までに、申請者あてに法令試験実施通知書という書類で通知されます。
・法令試験を実施した結果、合格基準に達しない場合は、1回だけ再受験が可能です。受験日は次の奇数月です。そのため1回でも不合格になると1回で合格した時に比べて、約2か月許可まで余計な時間がかかることになります。

そして再受験でも不合格になると却下処分(申請の取り下げ)となります。こうなると申請のやり直しをしなければならなくなります。

5.受験者の確認等
当該申請に係る受験者は、試験当日の開始前に申請人本人(申請者が法人である場合は、許可又は認可後申請する事業に専従する業務を執行する常勤役員)であることが確認できる運転免許証、個人番号カード、パスポート等を提示します。

6.出題範囲及び設問形式等
出題の範囲は下記の通りです。13の法令等(以下 法律)から出題されます。合格基準が8割ということから30問中24問以上正解しなければなりません。また試験時間が50分ということから1問あたり100秒で解かなければなりません。
①貨物自動車運送事業法
②貨物自動車運送事業法施行規則
③貨物自動車運送事業輸送安全規則
④貨物自動車運送事業報告規則
⑤自動車事故報告規則
⑥道路運送法
⑦道路運送車両法
⑧道路交通法
⑨労働基準法
⑩自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年2月9日 労働省告示 第7号)
⑪労働安全衛生法
⑫私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
⑬下請代金支払遅延等防止法

(2)設問方式 ○×方式及び語群選択方式とする。
(3)出題数 30問
(4)合格基準 出題数の8割以上とする
(5)試験時間 50分とする。

7.合否について
基本的には受験から1~2週間ほどで通知されますが、当日発表される場合もあります。

8.合格率について
各運輸局、試験月によってばらばらです。直近の関東運輸局のケースでいうと60~70%くらいの合格率となっておりますが、運輸局や試験月によっては20~30%しかないときもあります。

9.その他
参考資料等の持ち込みは不可となります。ただし、関係法令等の条文が記載された条文集が配付されます。条文集の見本(関東運輸局)はこちらから確認できます。
※当該資料は試験終了後に回収されますので書き込みなどはできません。

法令試験の攻略法

さてここからが本題です。上記でも合格率の話をしましたが平均でも法令試験の合格率は60~70%しかありません。低いときは20~30%しかない月もあります。しかし、あなたが受験する月がたまたま合格率が低い月(問題が難易度)だったからといって、不合格になるわけにはいきません。なぜなら1回試験に不合格になると許可まで2か月余計に時間がかかり、それだけ賃料や諸経費をロスするからです。

なので、これから法令試験対策の極意をあなたに伝授します。この記事をかいている私は沖縄以外の9つの運輸局(関東,近畿,中部,九州,中国,四国,東北,北海道,信越)の直近の一般貨物法令試験問題をそれぞれ10~15月分(約2年~3年分)解いております。(2022年9月現在)

伝授① 条文集を極めろ

まずは条文集を極めることが合格の第一歩です。なぜなら条文集には問題の答えが全て書いてあるからです。基本的には全ての試験問題を条文集から探しだせば満点を取ることができます。

しかし現実はそう簡単ではありません。もし、それが可能なら不合格になる方はいなくなります。

先ほど6.出題範囲のところで「1問あたり100秒で解かなければなりません」と記載しましたが、全部で330ページにおよぶ条文集からピンポイントで出題される問題を探し出すのは至難の業です

下記の画像をご覧ください。問題には基本的に法律名と見出しは記載されていますが〇条までは記載されていません。つまり、ある程度この法律の前半や中盤又は後半にはこういうことが書かれていることを知っていなければ、問題を条文集から探し出すことが難しいということになります。さらにいうと、100秒とは問題を条文集から探すだけの時間ではなく、それを読み、理解し、正解か不正解かを判断するまでの時間となります。

そのため過去問で繰り返しよくでる問題は問題を解くだけで終わりにするのではなく、過去問を解いたらその問題が条文集のどこに書いてあるかを確認することが法令試験を攻略法する第一歩となります。

最初は法律の内容まで分からなくもOKです。あくまで場所の確認です。本で例えるなら目次の確認です。これを繰り返すだけで不思議とかなり力が付きます。

例えば、点呼の問題は非常によくでますが、点呼の問題が出題されたら「貨物自動車運送事業輸送安全規則の第7条」と反射的にでるようになればOKです。

また、さらにつっこんでいえば運輸局ごとで対策が異なります。

例えば2022年7月に出題された近畿運輸局の試験問題は問1~9までが貨物自動車運送事業法に関する問題でした。
一方、同月の関東運輸局の試験問題は下記の通りバラバラに出題されております。
条文集は法律ごとにまとめられているので同じ法律の問題が連続で出題されているほうが断然探しやすいわけです。特に近畿運輸局は条文が低い数字から順番で出題される傾向があるのでなおさら解きやすいといえるでしょう。

(関東運輸局) ※法律名と見出しは記載されていますが〇条までは記載されていません。

画像1(関東運輸局問題)

(近畿運輸局) 法律名と見出しは記載されていますが〇条までは記載されていません。

(関東運輸局) 各法律がバラバラに出題される
問1 貨物自動車運送事業法
問2 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
問3 貨物自動車運送事業輸送安全規則
問4 道路交通法
問5 貨物自動車運送事業報告規則

(近畿運輸局) 同じ法律がまとまって出題される
問1 貨物自動車運送事業法
問2 貨物自動車運送事業法
問3 貨物自動車運送事業法
問4 貨物自動車運送事業法
問5 貨物自動車運送事業法

伝授② 過去問を解きまくれ

次に重要なのは過去問を解くことになります。理由はシンプルで過去問から同じような問題から何度も出題されるからです。法令試験の出題傾向についてはこちらをご覧ください。
そして、これは試験一般的にいえることですが、試験対策のカギはインプットとアウトプットを交互に勉強することです。

インプットとはテキストを見たり、講義を聴いたり、法令試験でいえば条文集で場所や内容を確認したり、知識を入力することをいいます。一方、アウトプットとは知識を出力することで、法令試験でいえば問題を解くことが該当します。

法令試験は同じ条文から何度も出題されますが、全く同じ問題がでるとは限りません。そのため、過去問を何度も解くことで、どのパターンの問題がきても対応できるように準備します。そして問題を解いたら条文集で場所と内容の確認をします。このインプットとアウトプットを繰り返せば自然に条文集の場所と条文集に頼らなくても即答で解答できる問題が増えていきます。

伝授③ 完璧を目指すな

試験にはたいてい捨て問というものが存在します。捨て問は受験者を落とすために、わざと難しくしたり、解くのに時間がかかるよう、意地悪な問題にしています。

この捨て問はその道のプロでも考え込んでしまうような問題なので、このような問題に時間を使うのは効率的ではありません。

法令試験の場合は条文集があるので全く分からない問題というのはありません。しかし、条文によっては内容を理解するのが難しかったり、とても長い文章で書かれているため読むだけで時間がかかるものがあるので、このような問題で足止めをくらっては時間がどんどん過ぎてしまいます。

また、同じような意味で条文集から出題問題を探せなかった時も同様です。

特に下請代金支払遅延等防止法、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律は内容が他の法律と比べて難しい印象があります。一方、労働安全衛生法は条文が多いので探すのに時間がかかります。3つとも出題頻度は多くないので、あまり深追いしないように注意しましょう。

伝授④ 時間配分を意識する

試験中は時間配分を意識しましょう。何度もいいますが法令試験は1問100秒で解いていけばいいわけです逆にいうと1問10秒で解ければ2問目は190秒かかってもいいわけです
ここからはあなたが法令試験対策をどれだけやるかで変わりますが、仮に伝授①や伝授②の方法で勉強をして試験本番で10問を1問10秒で解けたとします。そうすると浮いた時間を他の問題にまわすことができます。10秒で解けるということは条文集をみなくても解ける問題になります。試験勉強をスタートしたての頃はこのような問題はありませんが、あなたがまじめに伝授①や伝授②を繰り返し、勉強していけばおのずと増えていきます。以上を踏まえて、本番当日は下記のような順番で解いていくことをお勧めします。

本番当日の流れ

① 1回目
まずは最初から最後まで問題を解いていきます。しかし、ここで重要なのは条文集をみないで解ける問題を解いていくことです。そしてすぐに解ける問題というのは基本的には見直し不要なので、×で消していきます。逆にすぐに解けない問題はいったん飛ばしてしまいましょう。目安は1問10~20秒で解いていきます。

② 2回目
①で飛ばした問題を条文集をみながら解いていきます。しかし、ここでも条文集の場所の確認に時間がかかりそうだったり、正解を判別するのに時間がかかりそうな捨て問は飛ばしてしまいましょう。
特に道路交通法、下請代金支払遅延等防止法、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、労働安全衛生法は今までの傾向として捨て問が多いので注意しましょう。ここでの目安は1問60~90秒で解いていきます。見直し不要は×で消していきます。

③ 3回目
見直しが必要なものや、②で飛ばした捨て問などを解いていきます。①と②で浮いた時間があるので、時間に余裕ができるはずです。また、自信のある解答が多ければ精神的にも落ち着きます。できる問題から解いて、難しい問題を最後にやるということは、このような狙いもあるわけです。

結局、法令試験対策は何をすればいいのか?

結論、当事務所の楽トラ(法令試験)を使用してください (笑)

自社製品を宣伝するのは、大変恐縮なのですが、これはいたって自然なことでもあるのです。

なぜなら楽トラ(法令試験)は法令試験をより簡単に合格してもらうために作成したものになるからです。なので、法令試験対策に一番効果的な方法である、①「条文集の場所の確認」と②「過去問を解くこと」にフォーカスしています。

①条文集の場所の確認
条文集の場所の確認は法令試験で最も重要な対策となります。しかし、条文集を確認するのに時間がかかってしまえば、そのうち確認するのが億劫になり確認作業をやめてしまうでしょう。
ただ残念ながら他の事業者や運輸局によっては、法律や見出しは記載していても〇条かは記載していないところもあります。これでは問題が法律のどこに記載されているかはすぐに分からないため、確認作業に時間がかかってしまいます。これでは勉強するのが嫌になるかと思います。

そこで楽トラ(法令試験)は全ての問題の解答に法律名と〇〇条を入れることにしました。これなら条文集の場所を確認するのが簡単です。

          〇〇条を記載

②過去問を解くこと
過去問は何度も繰り返し解くことで理解が深まります。楽トラ(法令試験)は沖縄以外の各運輸局の法令試験問題を好きなだけ解くことができます。
また楽トラ(法令試験)はPCやスマホから問題が解けるようになっております。例えば条文集の確認作業などインプットするときはPCで学習したほうがやりやすいといえます。逆に通勤や外出先の隙間時間でアウトプットするときは断然スマホが便利です。
特にアウトプットはやればやるだけ力がつきます。そうなるとスマホで法令試験対策ができる楽トラ(法令試験)がお勧めとなります。

③それ以外にも楽トラ(法令試験)は合格するための工夫がたくさんあります。
楽トラ(法令試験)は正解と不正解を対比することでどこが間違いか一発で分かるよう工夫しております。これは初めて法律を勉強する方を意識してのことです。しかし、運輸局の解答の例を見てみると、意外と正解と不正解をそれぞれ記載していなかったり、解説がなかったり、初めて勉強する方にはどハードルが高い印象をうけます。

楽トラ:〇×表記で間違いが1発で分かる!

運輸局の例:正解の記載ないからどこが間違っているか分からない!

楽トラは重要なところは解説付き!
間違いやすいポイントをまとめて学習

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