この記事は近畿運輸局管轄の法令試験の問題(令和4年7月)について解説しております。
近畿運輸局管轄とは大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山の2府4県です。
これらの地域で一般貨物経営許可申請をした事業者が対象になります。
その他の地域で申請した事業者様はこちらをご確認ください
(注意事項:設問の文中には、一部省略しているものもあります。)
※問題や回答は何度も確認してから掲載しておりますが、完ぺきな正確性を保証するものではありませんのでご了承ください。
Ⅰ.次の問題1から24の文書で正しいものには〇を、誤っているものには×を( )内に記入しなさい。
問題1
【貨物自動車運送事業法】(定義)
この法律において「一般貨物自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものをいう。
A:〇 【貨物自動車運送事業法 第2条第2項】
問題2
【貨物自動車運送事業法】(欠格事由)
許可を受けようとする者が、一年以上の懲役又は禁固の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から十年を経過しない者であるときには、一般貨物自動車運送事業の許可を受けることができない。
A:× 【貨物自動車運送事業法 第5条第1項】
×:(十年)
〇:(五年)
解説:欠格事由に該当した場合は5年間許可が取れません。
問題3
【貨物自動車運送事業法】(運賃及び料金等の掲示)
一般貨物自動車運送事業者は、運賃及び料金(個人(事業として又は事業のために運送契約の当事者となる場合におけるものを除く。)を対象とするものに限る。)、運送約款その他国土交通省令で定める事項を主たる事務所その他の営業所において公衆に見やすいように掲示しなければならない。
A:〇 【貨物自動車運送事業法 第11条】
問題4
【貨物自動車運送事業法】(運行管理者)
一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務を行わせるため、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣が認定する講習を修了した者のうちから、運行管理者を選任しなければならない。
A:× 【貨物自動車運送事業法 第18条第1項】
×:(国土交通大臣が認定する講習を修了した者のうちから、運行管理者を選任しなければならない)
〇:(運行管理者資格者証の交付を受けている者のうちから、運行管理者を選任しなければならない)
解説:運行管理者は運行管理者資格者証の交付を受けている者のうちから選任する必要があります。また運行管理者を選任又は解任したときは遅滞なく国土交通大臣に届出する必要があります。
問題5
【貨物自動車運送事業法】(事業の適確な遂行)
国土交通大臣は、一般貨物自動車運送事業者が事業用自動車を保管することができる自動車車庫の整備及び管理に関する事項に関し国土交通省令で定める基準を遵守していないと認めるときは、当該一般貨物自動車運送事業者に対し、その是正のために必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
A:〇 【貨物自動車運送事業法 第24条の4第1,2項】
問題6
【貨物自動車運送事業法】(事業の譲渡し及び譲受け等)
一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受けは、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
A:〇 【貨物自動車運送事業法 第30条第1項】
問題7
【貨物自動車運送事業法】(許可の取消し等)
国土交通大臣は、一般貨物自動車運送事業者が貨物自動車運送事業法若しくは同法に基づく命令若しくはこれらに基づく処分若しくは道路運送法第八十三条若しくは第九十五条の規定若しくは同法第八十四条第一項の規定による処分又は許可若しくは認可に付した条件に違反したときには、一年以内において期間を定めて自動車その他の輸送施設の当該事業のための使用の停止若しくは事業の全部若しくは一部の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。
A:× 【貨物自動車運送事業法 第33条】
×:(一年以内)
〇:(六月以内)
問題8
【貨物自動車運送事業法】(地方貨物自動車運送適正化事業実施機関の事業)
地方貨物自動車運送適正化事業実施機関は、国土交通大臣が定める区域において、輸送の安全を阻害する行為の防止その他この法律又はこの法律に基づく命令の遵守に関し一般貨物自動車運送事業者に対する指導を行うものとする。
A:〇 【貨物自動車運送事業法 第39条】
問題9
【貨物自動車運送事業法】(荷主の責務)
荷主は、貨物自動車運送事業者がこの法律又はこの法律に基づく命令を遵守して事業を遂行することができるよう、必要な配慮をしなければならない。
A:〇 【貨物自動車運送事業法 第63条の2】
問題10
【貨物自動車運送事業法施行規則】(届出)
一般貨物自動車運送事業者は、一般貨物自動車運送事業の運輸を開始した場合は、事業の許可をした国土交通大臣又は地方運輸局長に遅滞なく届け出なければならない。
A:〇 【貨物自動車運送事業法施行規則 第44条】
問題11
【貨物自動車運送事業輸送安全規則】(過労運転の防止)
貨物自動車運送事業者は、乗務員の健康状態の把握に努め、疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をし、又はその補助をすることができないおそれがある乗務員を事業用自動車に乗務させてはならない。
A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第3条第6項】
問題12
【貨物自動車運送事業輸送安全規則】(点呼等)
貨物自動車運送事業者は、アルコール検知器(呼気に含まれるアルコールを検知する機器であって、国土交通大臣が告示で定めるものをいう。以下同じ。)を営業所ごとに備え、常時有効に保持するとともに、酒気帯びの有無について確認を行う場合には、運転者の状態を目視等で確認するほか、当該運転者の属する営業所に備えられたアルコール検知器を用いて行わなければならない。
A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第7条第4項】
問題13
【貨物自動車運送事業輸送安全規則】(異常気象時等における措置)
貨物自動車運送事業者は、異常気象その他の理由により輸送の安全の確保に支障を生ずるおそれがあるときは、乗務員に対する適切な指示その他輸送の安全を確保するために必要な措置を講じなければならない。
A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第11条】
問題14
【貨物自動車運送事業輸送安全規則】(運行管理者等の選任)
一般貨物自動車運送事業者等は、国土交通大臣が告示で定める運行の管理に関する講習であって国土交通大臣の認定を受けたものを修了した者のうちから、運行管理者の業務を補助させるための者を選任することができる。
A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第18条第3項】
問題15
【貨物自動車運送事業報告規則】(事業報告書及び事業実績報告書)
貨物自動車運送事業者は、前年四月一日から三月三十一日までの期間に係る事業実績報告書を毎年九月三十日までに主たる事務所の所在地を管轄する地方運輸局長に提出しなければならない。
A:× 【貨物自動車運送事業報告規則 第2条】
×:(九月三十日)
〇:(七月十日)
解説:事業報告書及び事業実績報告書の問題は何度も出題されております。必ず得点できる問題なので何度も解いて覚えてしまいましょう。
・事業報告書は事業年度終了後100日以内
・事業実績報告書は7月10日まで
問題16
【道路運送法】(有償旅客運送の禁止)
貨物自動車運送事業を経営する者は、有償で旅客の運送をしてはならない。ただし、災害のため緊急を要するときその他やむを得ない事由がある場合であつて都道府県知事の許可を受けたときは、この限りでない。
A:〇 【道路運送法 第83条】
×:(都道府県知事の許可)
〇:(国土交通大臣の許可)
問題17
【道路運送車両法】(日常点検整備)
自動車の使用者は、自動車の走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期に、国土交通省令で定める技術上の基準により、灯火装置の点灯、制動装置の作動その他の日常的に点検すべき事項について、目視等により自動車を点検しなければならない。
A:〇 【道路運送車両法 第47条の2第1項】
問題18
【道路運送車両法】(定期点検整備)
自動車(小型特殊自動車を除く。)の使用者は、自動車運送事業の用に供する自動車及び車両総重量八トン以上の自家用自動車その他の国土交通省令で定める自家用自動車について、六月ごとに、点検の時期及び自動車の種別、用途等に応じ国土交通省令で定める技術上の基準により自動車を点検しなければならない。
A:× 【道路運送車両法 第48条第1項】
×:(六月)
〇:(三月)
解説:まずは3か月のものを覚えましょう。運送事業の自動車と車両総重量8トン以上の自家用自動車などが3か月です。
定期点検の期間 | |
自動車運送事業の用に供する自動車及び車両総重量八トン以上の自家用自動車その他の国土交通省令で定める自家用自動車 | 三月 |
道路運送法第七十八条第二号に規定する自家用有償旅客運送の用に供する自家用自動車(国土交通省令で定めるものを除く。)、同法第八十条第一項の許可を受けて業として有償で貸し渡す自家用自動車その他の国土交通省令で定める自家用自動車(前号に掲げる自家用自動車を除く。) | 六月 |
前二号に掲げる自動車以外の自動車 | 一年 |
問題19
【道路運送車両法】(選任届)
大型自動車使用者等は、整備管理者を選任したときは、その日から三十日以内に、地方運輸局長にその旨を届け出なければならない。これを変更したときも同様である。
A:× 【道路運送車両法 第52条】
×:(三十日以内)
〇:(十五日以内)
解説:その他の15日以内も覚えてしまいましょう。
変更登録申請【道路運送車両法 第12条第1項】も15日以内です。
自動車の所有者は、登録されている型式、車台番号、原動機の型式、所有者の氏名若しくは名称若しくは住所又は使用の本拠の位置に変更があつたときは、その事由があつた日から十五日以内に、国土交通大臣の行う変更登録の申請をしなければならない。
問題20
【道路交通法】(目的)
この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする。
A:〇 【道路交通法 第1条】
問題21
【道路交通法】(過積載車両に係る措置命令)
警察官は、過積載をしている車両の運転者に対し、当該車両に係る積載が過積載とならないようにするため必要な応急の措置をとることを命ずることができる。
A:〇 【道路交通法 第58条の3第1項】
問題22
【労働基準法】(労働条件の明示)
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
A:〇 【労働基準法 第15条】
問題23
【労働基準法】(労働者名簿)
使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。
A:〇 【労働基準法 第107条】
問題24
【下請代金支払遅延等防止法】(下請代金の支払期日)
下請代金の支払期日は、親事業者が下請事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず、親事業者が下請事業者の給付を受領した日(役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした日。)から起算して、六十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない。
A:〇 【下請代金支払遅延等防止法 第2条の2第1項】
Ⅱ.次の問題25から30の文章の指示に従って、質問に答えなさい。
問題25
【貨物自動車運送事業法】(許可の申請)
【貨物自動車運送事業法施行規則】(事業計画)
一般貨物自動車運送事業の許可を受けようとする者は、貨物自動車運送事業法施行規則で定める事項に関する事業計画を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならないが、事業計画に記載しなければならない事項として、次のア、イについて、正しいものには○を、誤っているものには×を( )内に記入しなさい。
ア.荷主の概要
イ.自動車車庫の位置及び収容能力
A:ア:× イ:〇 【貨物自動車運送事業法 第4条 貨物自動車運送事業法施行規則 第2条第1項】
解説:事業計画に記載しなければならない事項でよく出題されるのは下記のとおりです。
・主たる事務所の名称及び位置
・営業所の名称及び位置
・自動車車庫の位置及び収容能力
問題26
【貨物自動車運送事業法】(事業計画)
【貨物自動車運送事業法施行規則】(事業計画の変更の届出)
一般貨物自動車運送事業者は、貨物自動車運送事業法施行規則で定める軽微な事項に関する事業計画の変更をしたときは、遅滞なくその旨を、国土交通大臣に届け出なければならないが、次のア~ウについて、軽微な事項に関する事業計画の変更に該当するものを一つ選び、( )内に記入しなさい。
ア.貨物自動車利用運送を行うかどうかの別
イ.営業所又は荷扱所の名称の変更
ウ.自動車車庫の位置及び収容能力
A:イ 【貨物自動車運送事業法 第9条第3項 貨物自動車運送事業法施行規則 第7条第1項】
問題27
【貨物自動車運送事業法施行規則】(運送約款の記載事項)
一般貨物自動車運送事業者は、運送約款を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならないが、次のア~ウについて、運送約款に記載する事項として正しいものには○を、誤っているものには×を( )内に記入しなさい。
ア.貨物自動車利用運送を行うかどうかの別
イ.運賃及び料金の収受又は払戻しに関する事項
ウ.運送の引受けに関する事項
A:ア:〇 イ:〇 ウ:〇 【貨物自動車運送事業法施行規則 第11条】
問題28
【貨物自動車運送事業輸送安全規則】(乗務等の記録)
一般貨物自動車運送事業者等は、事業用自動車に係る運転者の乗務について、当該乗務を行った運転者ごとに記録させ、かつ、その記録を一年間保存しなければならないが、次のア~ウについて、記録させる事項として、正しいものには○を、誤っているものには×を( )内に記入しなさい。
ア.乗務の開始及び終了の地点及び日時並びに主な経過地点及び乗務した距離
イ.休憩又は睡眠をした場合にあっては、その地点及び日時
ウ.運賃及び料金
A:ア:〇 イ:〇 ウ:×【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第8条第1項】
解説:乗務等の記録は運転者ごとに記録させ1年間保存です。また記録する主な事項でよく出題されるのは下記のとおりです。
・乗務の開始及び終了の地点及び日時並びに主な経過地点及び乗務した距離
・休憩又は睡眠をした場合にあっては、その地点及び日時
・運転者の氏名
問題29
【貨物自動車運送事業輸送安全規則】(事故の記録)
一般貨物自動車運送事業者等は、事業用自動車に係る事故が発生した場合には、記録し、その記録を当該事業用自動車の運行を管理する営業所において三年間保存しなければならないが、次のア~ウについて、記録する事項として正しいものには○を、誤っているものには×を( )内に記入しなさい。
ア.事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示
イ.損害賠償金額
ウ.再発防止対策
A:ア:〇 イ:× ウ:〇【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第9条の2】
解説:事故の記録は3年間保存です。
また記録しなければならない主な事項としてよく出題されるのは以下の通りです。
・乗務員の氏名
・事業用自動車の自動車登録番号
・再発防止対策
・事故の概要(損害の程度を含む。)など
問題30
【自動車運転者の労働時間等の改善のための基準】(貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間等)
貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間、休息期間及び運転時間について定められているもののうち、次のア、イについて、正しいものには○を、誤っているものには×を( )内に記入しなさい。
ア.一日についての拘束時間は、十三時間を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても、最大拘束時間は、十八時間とすること。この場合において、一日についての拘束時間が十五時間を超える回数は、一週間について二回以内とすること。
イ.勤務終了後、継続八時間以上の休息期間を与えること。
A:ア:× イ:〇【自動車運転者の労働時間等の改善のための基準 第4条第1項】
×:(十八時間)
〇:(十六時間)
解説:非常によくでる問題です。自動車運転者の労働時間等の改善のための基準は直近では第4条しかでていないので分からなければ後回しにして条文集で確認するのがいいでしょう。