この記事は九州運輸局管轄の法令試験の問題(令和4年7月)について解説しております。
九州運輸局管轄とは福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の7県です。
これらの地域で一般貨物経営許可申請をした事業者が対象になります。
その他の地域で申請した事業者様はこちらをご確認ください
(※注意事項)
設問の文中には、法令の条文をそのまま引用せずに、一部省略している場合があります。
※問題や解答は何度も確認してから掲載しておりますが、完ぺきな正確性を保証するものではありませんのでご了承ください。
Ⅰ 次の問題1から16の文章で、正しいものには○を、誤っているものには×を( )内に記入しなさい。
問題1(親事業者の遵守事項)
親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は、親事業者が下請代金をその支払期日の経過後なお支払わない場合に、下請事業者が公安審査委員会又は中小企業庁長官に対しその事実を知らせたことを理由として、取引の数量を減じ、取引を停止し、その他不利益な取扱いをしてはならない。(下請代金支払遅延等防止法)
A:× 【下請代金支払遅延等防止法 第4条第1項】
×:(公安審査委員会)
〇:(公正取引委員会)
問題2(事業報告書及び事業実績報告書)
一般貨物自動車運送事業者(特別積合せ貨物運送(運行系統が2以上の地方運輸局長の管轄区域に設定され、かつ、その起点から終点までの距離の合計(運行系統が重複する部分に係る距離を除く。)が100キロメートル以上のものに限る。)を行う一般貨物自動車運送事業者を除く。)は、その主たる事務所の所在地を管轄する地方運輸局長に、前年4月 1日から3月31日までの期間に係る事業実績報告書を、毎年7月10日までに提出しなければならない。(貨物自動車運送事業報告規則)
A:〇 【貨物自動車運送事業報告規則 第2条第1項】
問題3(従業員に対する指導及び監督)
一般貨物自動車運送事業者は、国土交通大臣が告示で定めるところにより、運転者として新たに雇い入れた者に対して、事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき事項について特別な指導を行い、かつ、国土交通大臣が告示で定める適性診断であって貨物自動車運送事業輸送安全規則第12条の2及び第12条の3の規定により国土交通大臣の認定を受けたものを受けさせるよう努めなければならない。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)
A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第10条第2項】
×:(受けさせるよう努めなければならない)
〇:(受けさせなければならない)
問題4(深夜業)
使用者は、満18才に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によって使用する満16才以上の者については、この限りではない。(労働基準法)
A:× 【労働基準法 第61条】
×:(満16才以上の者)
〇:(満16才以上の男性)
問題5(輸送の安全)
一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の車両重量を超える積載をすることとなる運送(以下「過積載による運送」という。)の引受け、過積載による運送を前提とする事業用自動車の運行計画の作成及び事業用自動車の運転者その他の従業員に対する過積載による運送の指示をしてはならない。(貨物自動車運送事業法)
A:× 【貨物自動車運送事業法 第17条第3項】
×:(車両重量)
〇:(最大積載量)
問題6(会社の株式保有の制限、届出義務)
会社は、他の会社の株式を取得し、又は所有することにより、一定の取引分野における競争を実質的に支配することとなる場合には、当該株式を取得し、又は所有してはならず、及び不公正な取引方法により他の会社の株式を取得し、又は所有してはならない。(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)
A:× 【私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第10条第1項】
×:(支配)
〇:(制限)
問題7(駐車を禁止する場所)
車両は、火災報知器から5メートルの部分においては、駐車してはならない。ただし、公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたときは、この限りでない。(道路交通法)
A:× 【道路交通法 第45条第1項】
×:(5メートル)
〇:(1メートル)
問題8(過労運転の防止)
貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条第1項の規定により選任する運転者は、日々雇い入れられる者、2月以内の期間を定めて使用される者又は試みの使用期間中の者(14日を超えて引き続き使用されるに至った者を除く。)であってはならない。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)
A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第3条第2項】
問題9(目的等)
労働関係の当事者は、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準を理由として自動車運転者の労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上に努めなければならない。(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)
A:〇 【自動車運転者の労働時間等の改善のための基準 第1条第2項】
問題10(運行記録計による記録)
一般貨物自動車運送事業者は、車両総重量が7トン、最大積載量が3トンの普通自動車である事業用自動車に係る運転者の乗務について、当該事業用自動車の瞬間速度、運行距離及び運行時間を運行記録計により記録し、かつ、その記録を1年間保存しなければならない。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)
A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第9条第1項】
運行記録計 | 車両総重量が七トン以上又は最大積載量が四トン以上 |
問題11(重量表示)
一の貨物で、重量が1トン以上のものを発送しようとする者は、見やすく、かつ、容易に消滅しない方法で、当該車両にその重量を表示しなければならない。ただし、包装されていない貨物で、その重量が一見して明らかであるものを発送しようとするときは、この限りでない。(労働安全衛生法)
A:× 【労働安全衛生法 第35条】
×:(車両)
〇:(貨物)
問題12(報告書の提出)
一般貨物自動車運送事業者は、その使用する事業用自動車で10人の重傷者を生じた事故を起こした場合には、当該事故があった日から30日以内に、自動車事故報告書3通を当該自動車の使用の本拠の位置を管轄する運輸監理部長又は運輸支局長を経由して、国土交通大臣に提出しなければならない。(自動車事故報告規則)
A:〇 【自動車事故報告規則 第3条第1項】
問題13(解雇の予告)
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。(労働基準法)
A:〇 【労働基準法 第20条第1項】
問題14(運送に関する命令)
国土交通大臣は、当該運送が災害の救助その他公共の福祉を維持するため必要であり、かつ、当該運送を行う者がない場合又は著しく不足する場合に限り、一般旅客自動車運送事業者又は貨物自動車運送事業法による一般貨物自動車運送事業者に対し、運送すべき旅客若しくは貨物、運送すべき区間、これに使用する自動車及び運送条件を指定して運送を命じ、又は旅客若しくは貨物の運送の順序を定めて、これによるべきことを命ずることができる。(道路運送法)
A:〇 【道路運送法 第84条第1項】
問題15(運行管理者の業務)
運行管理者は自動車車庫を管理しなければならない。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)
A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第20条】
解説:自動車車庫を管理するのは整備管理者の業務である。
問題16(自動車に関する表示)
自動車(軽自動車たる自家用自動車、乗車定員10人以下の乗用の自家用自動車、特殊自動車たる自家用自動車その他国土交通省令で定めるものを除く。)を使用する者は、その自動車の外側に、所有者の氏名、名称又は記号その他の国土交通省令で定める事項を見やすいように表示しなければならない。(道路運送法)
A:× 【道路運送法 第95条】
×:(所有者の氏名)
〇:(使用者の氏名)
Ⅱ 次の問題17から22の文章の指示に従って、質問に答えなさい。
問題17
貨物自動車運送事業法に照らし、次のア~エについて国土交通大臣の認可申請(地方運輸局長及び運輸監理部長又は運輸支局長へ委任されているものを含む。)が必要なものには○を、必要ないものには×を( )内に記入しなさい。(貨物自動車運送事業法)
ア.一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受け
イ.一般貨物自動車運送事業の事業計画の変更
(貨物自動車運送事業法第9条第3項に規定するものを除く)
ウ.一般貨物自動車運送事業の経営
エ.一般貨物自動車運送事業の運送約款の変更
(標準運送約款と同一のものへ変更するもの)
A:ア〇、イ〇、ウ×、エ× 【貨物自動車運送事業法 第3条、第9条、第10条、第30条】
解説:ウ 一般貨物自動車運送事業の経営は許可になります。
解説:エ この場合は認可を受けたものとみなされます。
問題18(定義)
貨物自動車運送事業法の定義として誤っているものを次のア~ウの中から1つ選び( )内に記入しなさい。(貨物自動車運送事業法)
ア.貨物自動車運送事業法において「貨物軽自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車に限る。)を使用して貨物を運送する事業をいう。
イ.貨物自動車運送事業法において「特定貨物自動車運送事業」とは、特定の者の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。)を使用して貨物を運送する事業をいう。
ウ.貨物自動車運送事業法において「貨物自動車利用運送」とは、一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業を経営する者が他の一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業を経営する者の行う運送(自動車以外を使用して行う貨物の運送に係るものに限る。)を利用してする貨物の運送をいう。
A:ウ 【貨物自動車運送事業法 第2条】
ウ:(× 自動車以外を使用して行う貨物の運送に係るものに限る。)
:(〇 自動車を使用して行う貨物の運送に係るものに限る。)
問題19(貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間等)
以下のア~エについて、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準に照らし、同基準に全て適合するものを1つ選び( )内に記入しなさい。ただし、労使協定等は締結していないものとする。(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)
– | ア | イ | ウ | エ |
1箇月当たりの拘束時間 | 290 | 320 | 293 | 280 |
休息期間(継続) | 8 | 10 | 8 | 12 |
1日当たりの拘束時間(延長なし) | 13 | 15 | 16 | 12 |
連続運転時間 | 4 | 3 | 4 | 3.5 |
2日(48時間)の1日当たり平均運転時間 | 8 | 6 | 9 | 10 |
2週間の1週間当たり平均運転時間 | 42 | 40 | 44 | 48 |
単位はすべて「時間」
A:ア 【自動車運転者の労働時間等の改善のための基準 第4条】
解説:どれも非常によくでる問題です。
・1箇月当たりの拘束時間は293時間を超えないものとする
・休息期間は継続8時間以上与えること
・1日当たりの拘束時間は13時間を超えないものとする(延長なし)
・連続運転時間は4時間を超えないものとする
・2日(48時間)の1日当たり平均運転時間は9時間を超えないものとする
・2週間の1週間当たり平均運転時間は44時間を超えないものとする
問題20(事業の遂行能力の審査)
貨物自動車運送事業法第6条第3号に掲げる基準に適合するかどうかを審査する事項として、以下のア~ウについて、正しいものには○を、誤っているものには×をそれぞれ( )内に記入しなさい。(貨物自動車運送事業法施行規則)
ア.一般貨物自動車運送事業を迅速に遂行するために必要な資金に関する計画
イ.貨物の運送に関し支払うことのある損害賠償の責任
ウ.一般貨物自動車運送事業を適確に遂行するために必要な法令に関する知識
A:ア×、イ×、ウ〇 【貨物自動車運送事業法施行規則 第3条の6】
ア:(× 迅速)
:(〇 適確)
イ:(× 責任)
:(〇 支払能力)
問題21(定義)
以下のア~エについて、道路交通法の用語として正しいものを①~⑫の中から選び( )に記入しなさい。(道路交通法)
ア.車両の通行の用に供するため縁石線若しくはさくその他これに類する工作物又は道路標示によって区画された道路の部分
イ.車両等が、進行を継続し、又は始めた場合においては危険を防止するため他の車両等がその速度又は方向を急に変更しなければならないこととなるおそれがあるときに、その進行を継続し、又は始めること
ウ.車両等が貨物の積卸しのため5分を超えない時間内で継続的に停止すること
エ 道路の交通に関し、規制又は指示を表示する標示板
①道路看板 ②進行妨害 ③車両通行帯
④駐車 ⑤道路標示 ⑥車道
⑦道路標識 ⑧停車 ⑨徐行
⑩自動車道 ⑪危険運転 ⑫一時停止
A:ア⑥、イ②、ウ⑧、エ⑦ 【道路交通法 第2条】
問題22(譲渡証明書等)
道路運送車両法に照らし、譲渡証明書に記載する事項として正しいものを次のア~ウから1つ選び ( )内に記入しなさい。(道路運送車両法)
ア.譲渡の予定日
イ.譲受人及び新使用者の氏名又は名称及び住所
ウ.車台番号及び型式
A:ウ 【道路運送車両法 第33条】
ア:(× 予定日)
:(〇 年月日)
イ:(× 新使用者)
:(〇 譲渡人)