令和4年7月(中部運輸局) 一般貨物法令試験問題&解答

この記事は中部運輸局管轄の法令試験の問題(令和4年7月)について解説しております。
中部運輸局管轄とは愛知、静岡、岐阜、三重、福井の5県です。
これらの地域で一般貨物経営許可申請をした事業者が対象になります。
その他の地域で申請した事業者様はこちらをご確認ください

注意事項:問題文末尾の括弧は、関係する法令等を指します。また、設問の文中には、法令の条文をそのまま引用せずに、一部省略している場合があります。

※問題や解答は何度も確認してから掲載しておりますが、完ぺきな正確性を保証するものではありませんのでご了承ください。

Ⅰ 次の問題1から16の文章で正しいものに○を、誤っているものに×を( )内に記入しなさい。

問題1(定義)
 貨物自動車運送事業法において、「一般貨物自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を含む。)を使用して貨物を運送する事業をいう。(貨物自動車運送事業法)

A:× 【貨物自動車運送事業法 第2条第2項】
×:(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を含む)
〇:(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く)

問題2(従業員に対する指導及び監督)
 一般貨物自動車運送事業者は、国土交通大臣が告示で定めるところにより、当該貨物自動車運送事業に係る主な道路の状況、その他の事業用自動車の運行に関する状況、その状況の下において事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な運転の技術及び法令に基づき自動車の運転に関して遵守すべき事項について、運転者に対する適切な指導及び監督をしなければならない。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)

A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第10条第1項】

問題3(定期点検整備)
一般貨物自動車運送事業の用に供する自動車は3ヶ月毎に定期点検整備を行わなければならない。(道路運送車両法)

A:〇 【道路運送車両法 第48条第1項】

定期点検の期間
自動車運送事業の用に供する自動車及び車両総重量八トン以上の自家用自動車その他の国土交通省令で定める自家用自動車 三月
道路運送法第七十八条第二号に規定する自家用有償旅客運送の用に供する自家用自動車(国土交通省令で定めるものを除く。)、同法第八十条第一項の許可を受けて業として有償で貸し渡す自家用自動車その他の国土交通省令で定める自家用自動車(前号に掲げる自家用自動車を除く。)

六月

前二号に掲げる自動車以外の自動車 一年

問題4(運転者)
 運転者は、事業用自動車の乗務について、疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれがあるときは、その旨を乗務後に一般貨物自動車運送事業者に申し出なければならない。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)

A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第17条】
×:(乗務後に)
〇:(乗務前に)

問題5(運賃及び料金の届出)
 運賃料金設定(変更)届出書には、「設定し、又は変更しようとする運賃及び料金の種類、額及び適用方法」を記載しなければならない。(貨物自動車運送事業報告規則)

A:〇 【貨物自動車運送事業報告規則 第2条の2】

問題6(運送約款)
 一般貨物自動車運送事業者は、運送約款を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。(貨物自動車運送事業法)

A:〇 【貨物自動車運送事業法 第10条第1項】

《ここもチェック》
運送約款⇒国土交通大臣の認可
安全管理規程⇒国土交通大臣へ届出
運行管理規定⇒定めるだけで届出は必要ない

問題7(貨物の積載方法)
 一般貨物自動車運送事業者は事業用自動車に貨物を積載するときは、偏荷重が生じないように積載しなければならない。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)

A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第5条】

問題8(運賃及び料金等の掲示)
 一般貨物自動車運送事業者は、運賃及び料金、運送約款を事業用自動車内に掲示しなければならない。(貨物自動車運送事業法)

A:× 【貨物自動車運送事業法 第11条】
×:(事業用自動車内に掲示)
〇:(主たる事務所その他の営業所において公衆に見やすいように掲示)

問題9(報告書の提出)
 一般貨物自動車運送事業者は、その事業用自動車が転覆し、火災を起こし、その他国土交通省令で定める事故を引き起こしたときは、30日以内に、事故の種類、原因その他国土交通省令で定める事項を届け出なければならない。(自動車事故報告規則)

A:〇 【自動車事故報告規則 第3条第1項】

問題10(輸送の安全)
 一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の運転者が休憩又は睡眠のために利用することができる施設を整備しなければならない。(貨物自動車運送事業法)

A:〇 【貨物自動車運送事業法 第17条第1項】

問題11(一般貨物自動車運送事業者等による輸送の安全にかかわる情報の公表)
 一般貨物自動車運送事業者は、国土交通大臣から貨物自動車運送事業法の規定に基づく処分(輸送の安全に係るものに限る。)を受けたときは、遅滞なく、当該処分の内容並びに当該処分に基づき講じた措置及び講じようとする措置の内容をインターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならない。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)

A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第2条の8第2項】

問題12(一般貨物自動車運送事業の許可)
 一般貨物自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の認可を受けなければならない。(貨物自動車運送事業法)

A:× 【貨物自動車運送事業法 第3条】
×:(認可)
〇:(許可)

問題13(交通事故の場合の措置)
 交通事故があったときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。(道路交通法)

A:〇 【道路交通法 第72条第1項】

問題14(点呼等)
 一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の乗務を終了した運転者に対する点呼において、深夜時間帯の運行管理者(補助者)の帰社後等都合による場合は、対面に代えて電話による点呼を行うことができる。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)

A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第7条第1項】
×:(深夜時間帯の運行管理者(補助者)の帰社後等都合による場合は、対面に代えて電話による点呼を行うことができる)⇐このような記載はありません。

解説:乗務後の点呼も原則対面で行わなければなりません。

問題15(有償旅客運送の禁止)
 貨物自動車運送事業を経営する者は、有償で旅客の運送をしてはならない。災害のため緊急を要するとき、その他やむを得ない事由がある場合であっても、旅客を乗車させる構造要件を備えていないことから、有償で旅客の運送をしてはならない。(道路運送法)

A:× 【道路運送法 第83条】
×:(旅客を乗車させる構造要件を備えていないことから、有償で旅客の運送をしてはならない)⇐このような記載はありません。
解説:災害のため緊急を要するときその他やむを得ない事由がある場合であつて国土交通大臣の許可を受けたときは例外です。

問題16(過労運転の防止)
 一般貨物自動車運送事業者は、休憩又は睡眠のための時間及び勤務が終了した後の休息のための時間が十分に確保されるように、国土交通大臣が告示で定める基準に従って、運転者の勤務時間及び過労運転時間を定めなければならない。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)

A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第3条第4項】
×:(過労運転時間)
〇:(乗務時間)

Ⅱ.次の問題17から25の文章の指示に従って、質問に答えなさい。

問題17(目的)
貨物自動車運送事業法の目的として条文に記載のないものはどれか。(貨物自動車運送事業法)

ア.貨物自動車運送事業の運営を適正かつ合理的なものにすること。
イ.貨物自動車運送事業の過当な競争の防止に関すること。
ウ.輸送の安全の確保と公共の福祉の増進に資すること。

A:イ 【貨物自動車運送事業法 第1条第1項】

問題18(運行管理者の業務)
 次のうち、運行管理者が行わなければならない業務として正しいものには○を、誤っているものには×をつけなさい。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)

ア. 運転者に対して点呼を行い、報告を求め、確認を行い、及び指示を与え、並びに記録し、及びその記録を保存し、並びにアルコール検知器を有効に保持すること
イ.日常点検整備の結果に基づき、運行の可否を決定すること
ウ.乗務員が休憩又は睡眠のために利用することができる施設を適切に管理すること

A:ア:〇 イ:× ウ:〇   【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第20条第1項】

解説:運行管理者の業務の問題で試験によく出題されるのは下記のとおりです。
・貨物の積載方法について、従業員に対する指導及び監督を行うこと。
・乗務員が休憩又は睡眠のために利用することができる施設を適切に管理すること
・勤務時間及び乗務時間の範囲内において乗務割を作成し、これに従い運転者を事業用自動車に乗務させること
・運転者に対して点呼を行い、報告を求め、確認を行い、及び指示を与え、並びに記録し、及びその記録を保存し、並びにアルコール検知器を常時有効に保持すること
・運転者台帳を作成し、営業所に備え置くこと

問題19(事業の譲渡し及び譲受け等)
次の申請のうち、国土交通大臣の認可を要しないものはどれか。(貨物自動車運送事業法)

ア.法人の合併及び分割
イ.事業の譲渡し及び譲受け
ウ.事業の休止及び廃止

A:ウ 【貨物自動車運送事業法 第30条第2項】

《ここもチェック》

主な認可主な届出
車庫及び休憩睡眠施設の位置及び収容能力主たる事務所の名称及び位置
営業所又は荷扱所の位置(貨物自動車利用運送のみに係るもの及び地方運輸局長が指定する区域内におけるものは届出)営業所又は荷扱所の名称
貨物自動車利用運送を行うかどうかの別利用運送の業務の範囲等
営業所に配置する事業用自動車の種別利用運送の保管施設及び利用する事業者の概要
一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受けをする場合事業用自動車の種別ごとの数の変更
一般貨物自動車運送事業者たる法人の合併及び分割をする場合各営業所に配置する運行車の数の変更
一般貨物自動車運送事業の相続する場合一般貨物自動車運送事業者等の氏名、名称又は住所に変更があった場合
法人の役員又は社員に変更があった場合
一般貨物自動車運送事業の休止又は廃止の届出をしようとする場合
一般貨物自動車運送事業等の運輸を開始した場合
一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受け又は法人の合併若しくは分割が終了した場合
休止していた一般貨物自動車運送事業等を再開した場合

問題20(事業計画)
 次のアからエのうち、事業計画に含まれない事項を2つ選びなさい。(貨物自動車運送事業法施行規則)

ア.事業者名及び代表者名
イ.各営業所に配置する事業用自動車の種別ごとの数
ウ.自動車車庫の位置及び収容能力
エ.運送約款

A:ア、エ 【貨物自動車運送事業法施行規則 第2条第1項】

問題21(貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間等)
 貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間、休息時間及び運転時間については、労働省告示(平成元年2月9日労働省告示第7号)によって定められています。次の中から正しいものを3つ選び記入しなさい。(自動車運転手の労働時間等の改善のための基準(平成元年2月9日労働省告示第7号))

ア.拘束時間は、1箇月について293時間を超えないものとすること。
イ.1日についての拘束時間は、8時間を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても最大拘束時間は、16時間とすること。
ウ.勤務終了後、継続8時間以上の休息期間を与えること。
エ.運転時間は、2日を平均し1日当たり9時間、2週間を平均し1週間当たり44時間を超えないものとすること。
オ.連続運転時間は、5時間を超えないものとすること。

A:ア、ウ、エ 【自動車運転手の労働時間等の改善のための基準 第4条第1項】

解説:どれも非常によくでる問題です。
イ:(× 8時間)
:(〇 13時間)
オ:(× 5時間)
:(〇 4時間)

問題22(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律における「不公正な取引方法」とは、次のいずれかに該当する行為であって、公正な競争を阻害するおそれがあるもののうち、公正取引委員会が指定するものであるが、次のア~カのうち誤っているものを1つ選び( )内に記号で記入しなさい。(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)

ア.不当に他の事業者を差別的に取り扱うこと。
イ.低廉な対価をもつて取引すること。
ウ.不当に競争者の顧客を自己と取引するように誘引し、又は強制すること。
エ.相手方の事業活動を不当に拘束する条件をもつて取引すること。
オ.自己の取引上の地位を不当に利用して相手方と取引すること。
カ.自己又は自己が株主若しくは役員である会社と国内において競争関係にある他の事業者とその取引の相手方との取引を不当に妨害し、又は当該事業者が会社である場合において、その会社の株主若しくは役員をその会社の不利益となる行為をするように、不当に誘引し、唆し、若しくは強制すること。

A:イ 【私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第2条第9項】

解説:この問題は後回しにして条文集で確認するのがいいでしょう。

問題23
 親事業者が、下請事業者に対し製造委託等をした場合の禁止行為として、誤っているものを1つ選び( )内に記入しなさい。(下請代金支払遅延等防止法)

ア.下請代金をその支払期日の経過後なお支払わないこと。
イ.下請事業者の責に帰すべき理由がある場合に、下請代金の額を減ずること。
ウ.下請事業者の給付の内容と同種又は類似の内容の給付に対し通常支払われる対価に比し著しく低い下請代金の額を不当に定めること。
エ.下請事業者の給付の内容を均質にし又はその改善を図るため必要がある場合その他正当な理由がある場合を除き、自己の指定する物を強制して購入させ、又は役務を強制して利用させること。

A:イ 【下請代金支払遅延等防止法 第4条第1項】

問題24(運送約款の記載事項)
 運送約款には必ず記載しなければならない事項がありますが、次のア~オのうち、当てはまらないものを1つ選び( )内に記号で記入しなさい。(貨物自動車運送事業法施行規則)

ア.経営状況に関する事項
イ.運賃及び料金の収受又は払戻しに関する事項
ウ.運送の引受けに関する事項
エ.積込み及び取卸しに関する事項
オ.損害賠償その他責任に関する事項

A:ア 【貨物自動車運送事業法施行規則 第11条】

解説:運送約款に記載しなければならない事項でよく出題されるのは下記のとおりです
・貨物自動車利用運送を行うかどうかの別
・運賃及び料金の収受又は払戻しに関する事項
・運送の引受けに関する事項
・積込み及び取卸しに関する事項
・受取、引渡し及び保管に関する事項
・損害賠償その他責任に関する事項

問題25(事業報告書及び事業実績報告書)
 事業報告書についての報告期間及び提出時期として正しいものはどれか。(貨物自動車運送事業報告規則)

ア.毎事業年度に係るものを当該事業年度の経過後100日以内
イ.毎事業年度に係るものを当該事業年度の経過後120日以内
ウ.事業年度に関係なく、毎年5月31日まで

A:ア 【貨物自動車運送事業報告規則 第2条第1項】

解説:事業報告書及び事業実績報告書の問題は何度も出題されております。必ず得点できる問題なので何度も解いて覚えてしまいましょう。
・事業報告書は事業年度終了後100日以内
・事業実績報告書は7月10日まで

この記事を書いた人