一般貨物法令試験2022年9月Q &A(中国運輸局)

一般貨物法令試験2022年9月の問題について解説しております。管轄は中国運輸局になります。そのため広島、鳥取、島根、岡山、山口の運輸支局などに申請した事業者が対象になります。法令試験は運輸局ごとに問題が変わるためその他の運輸局の問題はこちらをご確認ください。

(注意事項)
※設問の文中には、法令の条文をそのまま引用せずに、文言等を一部省略している場合があります。
※問題や解答は何度も確認してから掲載しておりますが、完ぺきな正確性を保証するものではありませんのでご了承ください。

Ⅰ. 次の記述のうち、正しいものには○を、誤っているものには×を(    )内に記入してください。

問1(定義)
貨物自動車運送事業法において「貨物自動車利用運送」とは、一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業を経営する者が他の一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業を経営する者の行う運送(自動車を使用して行う貨物の運送に係るものに限る。)を利用してする貨物の運送をいう。

A:〇 【貨物自動車運送事業法 第2条第7項】

問2(事業)
国土交通大臣が指定をした地方貨物自動車運送適正化事業実施機関は、輸送の安全を阻害する行為の防止その他貨物自動車運送事業法又は貨物自動車運送事業法に基づく命令の遵守に関し一般貨物自動車運送事業者に対する指導を行う。

A:〇 【貨物自動車運送事業法 第39条】

問3(運送約款)
国土交通大臣が標準運送約款を定めて公示した場合(これを変更して公示した場合を含む。)において、事業者が、標準運送約款と同一の運送約款を定め、又は現に定めている運送約款を標準運送約款と同一のものに変更したときは、国土交通大臣に届け出なければならない。

A:× 【貨物自動車運送事業法 第10条第3項】
×:(国土交通大臣に届け出なければならない)
〇:(認可を受けたものとみなす)

問4(乗車又は積載の方法)
車両の運転者は、乗車又は積載のために設備された場所以外の場所に乗車させ又は積載をして運転してはならない。ただし、貨物自動車で貨物を積載しているものは、当該貨物を看守するため必要な最小限度の人員をその荷台に乗車させて運転することができる。

A:〇 【道路交通法 第55条第1項】

問5(名義の利用等の禁止)
事業者は、その名義を他人に一般貨物自動車運送事業のため利用させてはならない。ただし、やむを得ない事由がある場合は、特定貨物自動車運送事業及び貨物軽自動車運送事業のため利用させることができる。

A:× 【貨物自動車運送事業法 第27条第1項】
×:(ただし、やむを得ない事由がある場合は、特定貨物自動車運送事業及び貨物軽自動車運送事業のため利用させることができる。)⇐このような記載はありません。
解説:例外はありません。

問6(定期点検整備)
自動車運送事業の用に供する自動車の使用者は、6ヶ月ごとに国土交通省令で定める技術上の基準により自動車を点検しなければならない。

A:× 【道路運送車両法 第48条】
×:(6ヶ月ごと)
〇:(3ヶ月ごと)

解説:まずは3か月のものを覚えましょう。運送事業の自動車と車両総重量8トン以上の自家用自動車などが3か月です。

定期点検の期間
自動車運送事業の用に供する自動車及び車両総重量八トン以上の自家用自動車その他の国土交通省令で定める自家用自動車 三月
道路運送法第七十八条第二号に規定する自家用有償旅客運送の用に供する自家用自動車(国土交通省令で定めるものを除く。)、同法第八十条第一項の許可を受けて業として有償で貸し渡す自家用自動車その他の国土交通省令で定める自家用自動車(前号に掲げる自家用自動車を除く。) 六月
前二号に掲げる自動車以外の自動車 一年

問7(許可の取消し等)
国土交通大臣は、一般貨物自動車運送事業者が貨物自動車運送事業法に違反したときは、6月以内において期間を定めて自動車その他の輸送施設の当該事業のための使用の停止を命じることができる。

A:〇 【貨物自動車運送事業法 第33条】

問8(運賃及び料金等の掲示)
一般貨物自動車運送事業者は、運賃及び料金(個人を対象とするものに限る。)、運送約款その他国土交通省令で定める事項を主たる事務所その他の営業所において公衆に見やすいように掲示しなければならない。

A:〇 【貨物自動車運送事業法 第11条】

問9(事業の遂行能力の審査)
国土交通大臣は、一般貨物自動車運送事業の経営の許可の申請が基準に適合するかどうかを審査するに当たっては、健康保険法等の定めるところにより納付義務を負う保険料等の支払能力や、貨物の運送に関し支払うことのある損害賠償の支払能力に関しては審査しないものとする。

A:× 【貨物自動車運送事業法施行規則 第3条の6第2号、第3号】
×:(審査しないものとする)
〇:(審査するものとする)

解説:許可基準の審査についてよく出題されるのは下記のとおりです
・ 一般貨物自動車運送事業を適確に遂行するために必要な資金に関する計画
・ 健康保険法(大正十一年法律第七十号)等の定めるところにより納付義務を負う保険料等の支払能力
・ 貨物の運送に関し支払うことのある損害賠償の支払能力
・ 一般貨物自動車運送事業を適確に遂行するために必要な法令に関する知識
・ 前各号に掲げるもののほか、事業を適確に、かつ、継続して遂行するために必要な能力に関する事項

問10(運行記録計による記録)
一般貨物自動車運送事業者等は、車両総重量が7トン以上又は最大積載量が4トン以上の普通自動車である事業用自動車に係る運転者の乗務について、当該事業用自動車の瞬間速度、運行距離及び運行時間を運行記録計により記録し、かつ、その記録を1年間保存しなければならない。

A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第9条】

解説:運行記録計の記録は1年間保存です。その他のものと比較してみましょう。

点呼の記録1年間
乗務等(運行記録計)の記録1年間
運行指示書及びその写し1年間
事故の記録3年間
運転者台帳3年間
従業員に対する指導及び監督の記録3年間

問11(交通事故の場合の措置)
交通事故があったときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。

A:〇 【道路交通法 第72条第1項】

問12(男女同一賃金の原則)
労働基準法上の使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。

A:〇 【労働基準法 第4条】

問13(休日)
労働基準法上の使用者は、労働者に対して、四週間を通じ四日以上の休日を与える場合を除き、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。

A:〇 【労働基準法 第35条】

問14(事故の記録)
事業者は、事業用自動車に係る事故が発生した場合には、貨物自動車運送事業輸送安全規則に掲げる事項を記録し、その記録を本社において1年間保存しなければならない。

A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第9条の2】

×:(本社において1年間)
〇:(当該事業用自動車の運行を管理する営業所において3年間)

問15(点呼等)
貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の乗務を開始しようとする運転者及び乗務を終了した運転者に対する点呼において、運行管理者(補助者)の勤務時間等の都合による場合は、対面に代えて電話による点呼を行うことができる。

A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第7条第1項】
×:運行管理者(補助者)の勤務時間等の都合による場合は対面に代えて電話による点呼を行うことができる ⇐このような記載はありません。
点呼は運行上やむを得ない場合を除き対面で行わなければなりません。

問16(乗務等の記録)
一般貨物自動車運送事業者等は、事業用自動車に係る運転者の乗務について、当該乗務を行った事業用自動車ごとに必要な事項を記録させ、かつ、その記録を1年間保存しなければならない。

A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第8条第1項】
×:(事業用自動車ごと)
〇:(運転者ごと)

問17(異常気象時等における措置)
貨物自動車運送事業者は、異常気象その他の理由により輸送の安全の確保に支障を生ずるおそれがあるときは、乗務員に対する適切な指示その他輸送の安全を確保するために必要な措置を講じなければならない。

A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第11条】

問18(自動車検査証の有効期間)
車両総重量8トン以上の貨物事業用自動車の自動車検査証の有効期間は2年である。

A:× 【道路運送車両法 第61条第2項】
×:(2年)
〇:(1年)
《ここもチェック》

自動車検査証の有効期間

旅客を運送する自動車運送事業の用に供する自動車

1年
貨物の運送の用に供する自動車
国土交通省令で定める自家用自動車であつて、検査対象軽自動車以外のもの
上記以外(例:自家用自動車、軽自動車) 2年
初めて自動車検査証の交付を受ける場合などの例外
前項の規定により自動車検査証の有効期間を一年とされる自動車のうち車両総重量八トン未満の貨物の運送の用に供する自動車及び国土交通省令で定める自家用自動車であるもの 2年
前項の規定により自動車検査証の有効期間を二年とされる自動車のうち自家用乗用自動車(人の運送の用に供する自家用自動車であつて、国土交通省令で定めるものを除く。)及び二輪の小型自動車であるもの(例:自家用自動車、軽自動車) 3年

問19(運行管理者等の選任)
事業者は、事業用自動車(被けん引自動車を除く。)の運行を管理する営業所ごとに、当該営業所が運行を管理する事業用自動車の数を30で除して得た数(その数に1未満の端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)に1を加算して得た数以上の運行管理者を選任しなければならない。ただし、5両未満の事業用自動車の運行を管理する営業所であって、地方運輸局が認めるものについては、この限りではない。

A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第18条第1項】

《ここもチェック》
解説:事業用自動車の数を三十で除して得た数(その数に一未満の端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)に一を加算して得た数以上の運行管理者を選任しなければなりません。

事業用自動車の両数(被けん引車を除く)運行管理者数
29両まで1人
30両~59両2人
60両~89両3人
90両~119両4人
120両~149両5人
150両~179両6人

問20(事故の記録)
一般貨物自動車運送事業者等が事業用自動車に係る事故が発生した場合に記録しなければならない事項としてあてはまらないものを次のア~ウの中から1つ選び、(  )内に記入してください。
ア.事故の発生日時
イ.事故発生当日の乗務員の体温
ウ.再発防止対策

A:イ 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第9条の2】
解説:事故の記録で試験によく出題されるのは下記のとおりです
・乗務員の氏名
・事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示
・事故の発生日時
・事故の発生場所
・事故の概要(損害の程度を含む。)
・再発防止対策

Ⅱ. 次の21~25の問題の文章の指示に従って、質問に答えてください。

問21(事業計画の変更の認可)
事業者は、事業計画の変更をしようとするときは、国土交通省令に定めるものを除き、国土交通大臣の認可を受けなければならないことになっています。次のア~オの中で認可事項に該当するものを2つ選び記入してください。
ア.主たる事務所の名称及び位置の変更
イ.営業所又は荷扱所の名称の変更
ウ 自動車車庫の位置及び収容能力の変更
エ.休憩又は睡眠施設のための施設の位置及び収容能力の変更
オ.各営業所に配置する事業用自動車の種別ごとの数の変更

A:ウ、エ 【貨物自動車運送事業法施行規則 第5条、第6条、第7条】

《ここもチェック》

主な認可主な届出
車庫及び休憩睡眠施設の位置及び収容能力主たる事務所の名称及び位置
営業所又は荷扱所の位置(貨物自動車利用運送のみに係るもの及び地方運輸局長が指定する区域内におけるものは届出)営業所又は荷扱所の名称
貨物自動車利用運送を行うかどうかの別利用運送の業務の範囲等
営業所に配置する事業用自動車の種別利用運送の保管施設及び利用する事業者の概要
一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受けをする場合事業用自動車の種別ごとの数の変更
一般貨物自動車運送事業者たる法人の合併及び分割をする場合各営業所に配置する運行車の数の変更
一般貨物自動車運送事業の相続する場合一般貨物自動車運送事業者等の氏名、名称又は住所に変更があった場合
法人の役員又は社員に変更があった場合
一般貨物自動車運送事業の休止又は廃止の届出をしようとする場合
一般貨物自動車運送事業等の運輸を開始した場合
一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受け又は法人の合併若しくは分割が終了した場合
休止していた一般貨物自動車運送事業等を再開した場合

問22(過労運転の防止)
事業者が事業用自動車の運転者として選任してはならない者を、次のア~エの中から2つ選び記入してください。
ア.日々雇い入れられる者
イ.3ヶ月の期間を定めて使用される者
ウ.事業計画に従い業務を行うに必要な員数の運転者
エ.試みの使用期間中の者(14日を超えて引き続き使用されるに至った者を除く。)

A:ア、エ 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第3条第2項】
解説:事業用自動車の運転者として選任できないもの
・日々雇い入れられる者
・二月以内の期間を定めて使用される者
・試みの使用期間中の者(十四日を超えて引き続き使用されるに至った者を除く。)

問23(運転者台帳)
事業者は、運転者ごとに一定の様式の運転者台帳を作成し、これを当該運転者の属する営業所に備えて置かなければならないことになっています。運転者台帳に記載しなければならないものについて次の中から正しいものを2つ選んでください。
ア.運転者の性別
イ.雇入れの年月日及び運転者に選任された年月日
ウ.運転者の貯蓄額
エ.運転者に対する指導の実施及び適性診断の受診状況
オ.道路運送法に基づく、運行管理者資格に関する事項

A:イ、エ 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第9条の5項】
解説:運転者台帳に記載する内容で試験によく出題されるのは下記のとおりです。
・運転者の氏名、生年月日及び住所
・雇入れの年月日及び運転者に選任された年月日
・事故を引き起こした場合又は使用者に対する通知(道路交通法第百八条の三十四)を受けた場合は、その概要
・運転者の健康状態
・運転者に対する指導の実施及び適性診断の受診状況

問24(事業報告書及び事業実績報告書)
事業者は貨物自動車運送事業報告規則に定める報告書を、提出期限までに提出しなければならないことになっています。次の①と②の報告書の報告期間及び提出期限をア~カの中から選び記入してください。

① 事業報告書    (    )
② 事業実績報告書  (    )

ア.毎事業年度に係るものを当該事業年度の経過後100日以内
イ.毎事業年度に係るものを当該事業年度の経過後120日以内
ウ.毎事業年度に係るものを当該事業年度の経過後毎年5月31日まで
エ.前年1月1日から12月31日までの期間に係るものを毎年5月31日まで
オ.前年4月1日から3月31日までの期間に係るものを7月10日まで
カ.前年10月1日から9月30日までの期間に係るものを毎年12月31日まで

A:①事業報告書 ア ②事業実績報告書 オ 【貨物自動車運送事業報告規則 第2条】

解説:事業報告書及び事業実績報告書の問題は何度も出題されております。必ず得点できる問題なので何度も解いて覚えてしまいましょう。
・事業報告書は事業年度終了後100日以内
・事業実績報告書は7月10日まで

問25(貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間等)
貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間、休息期間及び運転時間については、労働省告示(平成元年2月9日労働省告示第7号)によって定められています。次の中から正しいものを2つ選び記入してください。
ア.拘束時間は、1箇月について299時間超えないものとすること。
イ.1日についての拘束時間は、13時間を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても最大拘束時間は、16時間とすること。
ウ.勤務終了後、継続6時間以上の休息期間を与えること。
エ.運転時間は、2日を平均し1日当たり9時間、2週間を平均し1週間当たり44時間を超えないものとすること。
オ.連続運転時間は、5時間を超えないものとすること。

A:イ、エ 【自動車運転者の労働時間等の改善のための基準 第4条】

解説:どれも非常によくでる問題です。
ア:(× 299時間)
:(〇 293時間)
ウ:(× 継続6時間以上)
:(〇 継続8時間以上)
オ:(× 5時間)
:(〇 4時間)

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