この記事は四国運輸局管轄の法令試験の問題(令和4年7月)について解説しております。
四国運輸局管轄とは香川、愛媛、徳島、高知の4県です。
これらの地域で一般貨物経営許可申請をした事業者が対象になります。
その他の地域で申請した事業者様はこちらをご確認ください
(注意事項)
※ 問題番号横の括弧は関係する法令等の標題を指し、問題文末尾の括弧は関係する法令等を指します。なお、設問文は、一部語句等を省略しているものもあります。
※問題や解答は何度も確認してから掲載しておりますが、完ぺきな正確性を保証するものではありませんのでご了承ください。
Ⅰ.次の問題1から17の文章で正しいものに○を、誤っているものに×を( )内に記入しなさい。
問題1(定義)
貨物自動車運送事業法において、「一般貨物自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、無償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものをいう。 (貨物自動車運送事業法)
A:× 【貨物自動車運送事業法 第2条第2項】
×:(無償で)
〇:(有償で)
問題2(一般貨物自動車運送事業の許可)
一般貨物自動車運送事業を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。(貨物自動車運送事業法)
A:× 【貨物自動車運送事業法 第3条】
×:(都道府県知事の許可)
〇:(国土交通大臣の許可)
問題3(事業の譲渡し及び譲受け等)
一般貨物自動車運送事業者たる法人の合併及び分割は、国土交通大臣へ届出をしなければ、その効力を生じない。ただし、一般貨物自動車運送事業者たる法人と一般貨物自動車運送事業を経営しない法人が合併する場合において一般貨物自動車運送事業者たる法人が存続するとき又は一般貨物自動車運送事業者たる法人が分割をする場合において一般貨物自動車運送事業を承継させないときは、この限りでない。(貨物自動車運送事業法)
A:× 【貨物自動車運送事業法 第30条第2,4項】
×:(国土交通大臣へ届出をしなければ、その効力を生じない)
〇:(国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない)
問題4(運賃及び料金の届出)
事業者は、運賃及び料金を定め又は変更したときは、運賃及び料金の設定又は変更後40日以内に、所轄地方運輸局長に提出しなければならない。(貨物自動車運送事業報告規則)
A:× 【貨物自動車運送事業報告規則 第2条の2】
×:(運賃及び料金の設定又は変更後40日以内)
〇:(運賃及び料金の設定又は変更後30日以内)
問題5(乗務等の記録)
事業者は、事業用自動車に係る運転者の乗務について、当該乗務を行った運転者ごとに、運転者の氏名、乗務した事業用自動車の自動車登録番号、乗務の開始及び終了の地点及び日時並びに主な経過地点及び乗務した距離等を記録させ、かつ、その記録を3年間保存しなければならない。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)
A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第8条第1項】
×:(3年間保存)
〇:(1年間保存)
問題6(輸送の安全性の向上)
事業者は、利益の確保が最も重要であることを自覚し、絶えず輸送の安全性の向上に努めなければならない。(貨物自動車運送事業法)
A:× 【貨物自動車運送事業法 第15条】
×:(利益の確保)
〇:(輸送の安全の確保)
問題7(運転者台帳)
一般貨物自動車運送事業者は、運転者が転任、退職その他の理由により運転者でなくなった場合には、直ちに、当該運転者に係る運転者台帳に運転者でなくなった年月日及び理由を記載し、これを3年間保存しなければならない。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)
A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第9条の5第2項】
問題8(運行管理者)
事業者は、事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務を行わせるため、運行管理者資格者証の交付を受けている者のうちから、運行管理者を選任しなければならない。(貨物自動車運送事業法)
A:〇 【貨物自動車運送事業法 第18条第1項】
問題9(過労運転の防止)
事業者は、休憩又は睡眠のための時間及び勤務が終了した後の休息のための時間が十分に確保されるように、国土交通大臣が告示で定める基準に従って、運転者の勤務時間及び乗務時間を定め、当該運転者にこれらを遵守させなければならない。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)
A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第3条第4項】
問題10(過積載の防止)
事業者は、過積載による運送の防止について、運転者その他の従業員に対する適切な指導及び監督を怠ってはならない。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)
A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第4条】
問題11(点呼等)
事業者は、事業用自動車の乗務を開始しようとする運転者に対し、対面(運行上やむを得ない場合は電話その他の方法)により点呼を行い、酒気帯びの有無、疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無、道路運送車両法第47条の2第1項及び第2項の規定による点検の実施又はその確認について報告を求め、及び確認を行い、並びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)
A:〇 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第7条第1項】
問題12(運行指示書による指示等)
事業者は、運行ごとに貨物自動車運送事業輸送安全規則に掲げる事項を記載した運行指示書を作成し、これにより自家用自動車の運転者に対し適切な指示を行い、及びこれを当該運転者に携行させなければならない。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)
A:× 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第9条の3第1項】
×:(運行ごと)
〇:(第七条第三項に規定する乗務を含む運行ごと)
×:(自家用自動車)
〇:(事業用自動車)
解説:第七条第三項に規定する乗務とは点呼をいずれも対面で行うことができない乗務などのことをいいます。
問題13(整備管理者)
自動車の使用者は、自動車の点検及び整備に関する実務の経験その他について国土交通省令で定める一定の要件を備える者のうちから、整備管理者を選任しなければならない。(道路運送車両法)
A:〇 【道路運送車両法 第50条第1項】
問題14(事故の報告)
一般貨物自動車運送事業者は、その事業用自動車が、程度の大小にかかわらず事故を引き起こしたときは、遅滞なく、事故の種類、原因その他国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならない。(貨物自動車運送事業法)
A:× 【貨物自動車運送事業法 第24条】
×:(程度の大小にかかわらず事故を引き起こしたときは)
〇:(転覆し、火災を起こし、その他国土交通省令で定める重大な事故を引き起こしたときは)
問題15(労働条件の明示)
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。(労働基準法)
A:〇 【労働基準法 第15条】
問題16(目的)
下請代金支払遅延等防止法は、下請代金の支払遅延等を防止することによつて、親事業者の下請事業者に対する取引を公正ならしめるとともに、親事業者の利益を保護し、もつて国民経済の健全な発達に寄与することを目的とする。(下請代金支払遅延等防止法)
A:× 【下請代金支払遅延等防止法 第1条】
×:(親事業者の利益を保護)
〇:(下請事業者の利益を保護)
問題17(不公正な取引方法の禁止)
事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない。(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)
A:〇 【私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第19条】
Ⅱ.次の問題18から22の文章の指示に従って、質問に答えなさい。
問題18(事業計画の変更の届出)
事業者は、事業計画の変更をしようとするときは、貨物自動車運送事業法施行規則で定める届出事項を除き認可が必要となります。次の中で届出事項に該当するものに○を、そうでないものに×を記入しなさい。(貨物自動車運送事業法施行規則)
ア.休憩睡眠施設の位置の変更
イ.営業所の名称の変更
ウ.営業所に配置する事業用自動車の種別ごとの数の変更
エ.自動車車庫の位置及び収容能力の変更
オ.主たる事務所の名称および位置の変更
A:ア× イ〇 ウ〇 エ× オ〇 【貨物自動車運送事業法施行規則 第6,7条】
《ここもチェック》
主な認可 | 主な届出 |
車庫及び休憩睡眠施設の位置及び収容能力 | 主たる事務所の名称及び位置 |
営業所又は荷扱所の位置(貨物自動車利用運送のみに係るもの及び地方運輸局長が指定する区域内におけるものは届出) | 営業所又は荷扱所の名称 |
貨物自動車利用運送を行うかどうかの別 | 利用運送の業務の範囲等 |
営業所に配置する事業用自動車の種別 | 利用運送の保管施設及び利用する事業者の概要 |
一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受けをする場合 | 事業用自動車の種別ごとの数の変更 |
一般貨物自動車運送事業者たる法人の合併及び分割をする場合 | 各営業所に配置する運行車の数の変更 |
一般貨物自動車運送事業の相続する場合 | 一般貨物自動車運送事業者等の氏名、名称又は住所に変更があった場合 |
– | 法人の役員又は社員に変更があった場合 |
– | 一般貨物自動車運送事業の休止又は廃止の届出をしようとする場合 |
– | 一般貨物自動車運送事業等の運輸を開始した場合 |
– | 一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受け又は法人の合併若しくは分割が終了した場合 |
– | 休止していた一般貨物自動車運送事業等を再開した場合 |
問題19(運転者台帳)
事業者は、運転者ごとに、一定の様式の運転者台帳を作成し、これを当該運転者の属する営業所に備えて置かなければならないことになっています。運転者台帳に記載しなければならないものとして正しいものをア~オの中から2つ選び記入しなさい。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)
ア.運転者の性別
イ.雇入れの年月日及び運転者に選任された年月日
ウ.運転者の貯蓄額
エ.運転者に対する指導の実施及び適性診断の受診の状況
オ.道路運送法に基づく、運行管理者資格に関する事項
A:イ、エ 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第9条の5第1項】
解説:運転者台帳に記載する内容で試験によく出題されるのは下記のとおりです。
・運転者の氏名、生年月日及び住所
・雇入れの年月日及び運転者に選任された年月日
・事故を引き起こした場合又は使用者に対する通知(道路交通法第百八条の三十四)を受けた場合は、その概要
・運転者の健康状態
・運転者に対する指導の実施及び適性診断の受診状況
問題20(運行記録計による記録)
貨物自動車運送事業輸送安全規則により運行記録計による乗務の記録が義務づけられる車両について、以下の文章の【 】内に当てはまる語句を下のア~キの中から選び記入しなさい。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)
一般貨物自動車運送事業者等は、車両総重量が【 ① 】以上又は最大積載量が 【 ② 】以上の普通自動車である事業用自動車に係る運転者の乗務について、当該事業用自動車の瞬間速度、運行距離及び運行時間を運行記録計により記録し、かつ、その記録を【 ③ 】保存しなければならない。
ア.4トン イ.5トン ウ.7トン エ.8トン オ.1年間
カ.2年間 キ.3年間
A:①ウ ②ア ③オ 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第9条】
問題21(事業報告書及び事業実績報告書)
事業者は、貨物自動車運送事業報告規則に定める報告書を提出期限までに提出しなければならないことになっています。次の①と②の報告書の報告期間及び提出期限をア~カの中から選び記入しなさい。(貨物自動車運送事業報告規則)
①事業報告書
②事業実績報告書
ア.前年1月1日から12月31日までの期間に係るものを毎年5月31日まで
イ.前年4月1日から3月31日までの期間に係るものを毎年7月10日まで
ウ.前年10月1日から9月30日までの期間に係るものを毎年12月31日まで
エ.毎事業年度に係るものを当該事業年度の経過後100日以内
オ.毎事業年度に係るものを当該事業年度の経過後120日以内
カ.毎事業年度に係るものを当該事業年度の経過後毎年5月31日まで
A:①エ、②イ 【貨物自動車運送事業報告規則 第2条第1項】
解説:事業報告書及び事業実績報告書の問題は何度も出題されております。必ず得点できる問題なので何度も解いて覚えてしまいましょう。
・事業報告書は事業年度終了後100日以内
・事業実績報告書は7月10日まで
問題22(点検整備)
道路運送車両法の規定によるもののほか、事業用自動車の点検及び整備について事業者が遵守しなければならない事項として正しいものをア、イから1つ選び記入しなさい。(貨物自動車運送事業輸送安全規則)
ア.事業用自動車の構造及び装置並びに運行する道路の状況、走行距離その他事業用自動車の使用の条件を考慮して、定期に行う点検の基準を作成し、これに基づいて点検をし、必要な整備をすること。
イ. 点検及び整備をしたときは、点検及び整備に関する運行管理簿に記載し、これを保存すること。
A:ア 【貨物自動車運送事業輸送安全規則 第3条の2】
イ(×:点検及び整備に関する運行管理簿)
(〇:点検及び整備に関する記録簿)