法令試験(一般貨物)の出題傾向を分析してみた

この記事では一般貨物の法令試験の出題傾向を分析してみたいと思います。

関東運輸局と近畿運輸局の2021年1月~2022年9月までの全10回分の法令試験が対象です。問題は1試験30問×10回分なので全300問あります。2つ以上の法律が関係する問題はどちらか一方の法律でカウントしています。

関東運輸局VS近畿運輸局の法律ごとの出題傾向

法令試験の攻略法の記事でも解説しましたが、法令試験の出題範囲はどの運輸局でも同じで13の法令等(以下法律)から出題されます。法令試験の概要についてはこちらをご覧ください。

しかし、出題範囲は同じでも出題される問題の傾向は運輸局ごとに異なります。これが運輸局ごとに法令試験対策をしなければならない所以です。

まず、関東運輸局と近畿運輸局で大きく違うところは貨物自動車運送事業法です。貨物自動車運送事業法は一般貨物自動車運送事業の根拠法とも呼ばれる基本法になるのですが、近畿運輸局が111問出題しているのに対して関東運輸局では58問しか出題されていません。また、貨物自動車運送事業輸送安全規則は貨物自動車運送事業法に次いで重要な法律の一つですが、これは関東運輸局と近畿運輸局ではそれほど違いはありません。

そして、この2つの法律だけで全300問中、関東が130問、近畿が186問出題されております。近畿運輸局に関しては実に全体の6割がこの2つの法律から出題されているわけです。

逆に次の画像をご覧ください。

この4つの法律は法令試験の攻略法の記事でも解説しましたが、内容を理解するのが難しかったり、とても長い文章で書かれているため読むだけで時間がかかるものがあります。

そのためこのような問題はあまり深追いするのは得策ではないので、出題傾向が少ない近畿運輸局のほうが対策しやすいといえるでしょう。

それではこの章のまとめに重要なことをお伝えします。それは問題は確かに13の法律から出題されますが、この13の法律の重要度は同じではないということです。

つまり、解くのに時間がかかる割に出題数が少ない、道路交通法、下請代金支払遅延等防止法、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、労働安全衛生法の4つよりも、貨物自動車運送事業法、貨物自動車運送事業輸送安全規則の2つの法律がはるかに重要だということです。

法令試験の法律ごとの特徴

次に法令試験の法律ごとの特徴と重要度を説明します。あくまで個人的な解釈となりますので参考程度にご覧ください(以下同じ)。

1 貨物自動車運送事業法
これは先ほど申し上げたとおり、一般貨物自動車運送事業の根拠法なので最も重要で基本となる法律となります。
重要度:Sランク

2 貨物自動車運送事業輸送安全規則
貨物自動車運送事業法の内容を補完するものになります。特に点呼や日報の記録など貨物自動車運送事業の輸送の安全の確保に関する事項がかなり高い頻度で出題されます。
重要度:Sランク

3 貨物自動車運送事業法施行規則
貨物自動車運送事業法の内容を補完するものになります。特に事業計画や届出事項がかなり高い頻度で出題されます。
重要度:Aランク

4 貨物自動車運送事業報告規則
貨物自動車運送事業法の内容を補完するものになります。特に事業報告書及び事業実績報告書や運賃及び料金などの報告事項がかなり高い頻度で出題されます。
重要度:Aランク

5 自動車事故報告規則
道路運送法、道路運送車両法の内容を補完するものになります。特に事故の定義や事故の速報などの報告事項がかなり高い頻度で出題されます。
重要度:Aランク

6 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
自動車運転者の労働時間等の改善のための基準を定めるものになります。特に貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間等がかなり高い頻度で出題されます。
重要度:Aランク

7 道路運送車両法
自動車全般について定められた法律になります。一般貨物よりも範囲が広くなります。特に日常点検整備、整備管理者、車検証などの問題が出題されます。
重要度:Bランク

8 道路運送法
タクシーなどの旅客自動車運送事業などについて定められた法律になります。特に有償旅客運送や自動車に関する表示などの問題が出題されます。
重要度:Bランク

9 労働基準法
労働条件全般について定められた法律になります。特に解雇、休憩、有給などの問題が出題されます。
重要度:Bランク

10 道路交通法
道路全般について定められた法律になります。特に駐停車、過積載、使用者に対する通知などの問題が出題されます。
重要度:Bランク

11 下請代金支払遅延等防止法
下請代金の支払遅延等防止などについて定められた法律になります。
重要度:Cランク

12 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法について定められた法律になります。
重要度:Cランク

13 労働安全衛生法
労働者の安全・健康の確保や快適な職場環境の形成を促進することを目的とした法律となります。
重要度:Cランク

法令試験の条文ごとの特徴

次に法令試験の条文ごとの特徴を説明します。先ほど13の法律の重要度は同じではないということを説明しました。それなら勉強するにも優先順位をつけて勉強するのが効果的です。

勉強とは受験者それぞれの立場によって変わってきます。

例えば1ヵ月毎日時間を確保できる方は13の法律全部勉強することができるでしょう。

しかし、3日しか勉強する時間がない方は優先順位をつけて勉強するほうがいいでしょう。先ほどの近畿運輸局の例でいえば貨物自動車運送事業法と貨物自動車運送事業輸送安全規則だけで全体の6割が出題されているのでこの2つの法律から勉強するのが得策といえます。

ただし、法令試験対策であなたが知らなければならない点がもう一つあります。それは出題される条文数と問題数の比較です。

条文数とは1条、2条、3条・・・などの数です。つまり条文数が多ければその分勉強する時間が多くなってきます。

例えば、関東運輸局の例でいうと、過去10回の試験で貨物自動車運送事業法からは25の条文から58の問題が出題されていることが分かります。

一方、下記の画像は近畿運輸局の自動車運転者の労働時間等の改善のための基準と労働安全衛生法からの出題数です。それぞれ条文の数は1個しか出題されていません。

これは何を意味するかというと自動車運転者の労働時間等の改善のための基準と労働安全衛生法は1つの条文さえおさえれば、試験対策は高い確率でできてしまうということになります。逆にそれ以外の条文の勉強をしても出題される可能性はかなり低いといえます。

勉強する時間がない方は是非参考にしてください。

結局、過去問を繰り返しやるのが得策

今回は法令試験の出題傾向について解説しました。先ほど、道路交通法、下請代金支払遅延等防止法、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、労働安全衛生法は重要度が低いと解説しましたが、出題される条文数が少なければ対策はできるかと思います。

それでは結局どのような対策が効果的かというと過去問を繰り返し解くのが効果的だといえます。なぜなら条文数が少ないということは同じ条文から出題されているということなので過去に出題されている問題を解くイコールその条文の勉強ができるからです。

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例えば条文集の確認作業などインプットするときはPCで学習したほうが便利といえます。
一方、通勤や外出先などの隙間時間で勉強するときは断然スマホが便利です。
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